タイソンを教えた米トレーナーが真吾氏を激賞 井上尚弥たちを育てた手腕に感嘆「息子があんな風に育ったら誇りに思う」

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「世界最強」を呼ばれる尚弥を、幼少期から育ててきた真吾氏。その手腕が評価されている。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 群雄割拠のボクシング界において、「井上兄弟」の名を知らない人はおそらくいない。

 モンスターの異名を授かる兄・尚弥は、現スーパーバンタム級の4団体統一王者に君臨。今やパウンド・フォー・パウンドの1位にも選出される“偉才”だ。弟の拓真もWBA世界バンタム級王者となり、世界を相手に防衛戦を繰り広げている。

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 そんな二人の名手を世界チャンピオンにまで育て上げたのが、父・真吾氏だ。幼い頃から息子にボクシングの基礎を叩き込み、世界の頂に導いた手腕は、やはり稀有である。

 真吾氏の存在は世界的にも高く評価されている。米専門YouTubeチャンネル『THE FIGHT with Teddy Atlas』のホストを務め、名トレーナーとしても知られるテディ・アトラス氏は「私は評価すべき人には、ちゃんと評価をしたいんだ」と語り出し、井上兄弟を育てた指導力を称えた。

「私は常にどんなトレーナーにもリスペクトを示したいと思っている。ただ、正直言って、実際に敬意を集められる人は、ほんの一握りさ。でも、イノウエの父はトップトレーナーとしての評価を受けるべきだ。心底、そう思うね」

 かく言うアトラス氏も指導力に定評のあるトレーナーだ。マイク・タイソン(米国)やマイケル・モーラー(米国)といった名だたる戦士を世界王者にさせた実績もある。

 そんな百戦錬磨のアトラス氏は、「イノウエの父親は、ロマチェンコの父親を彷彿とさせる」と指摘。世界3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を独自メソッドで指導するアナトニー・ロマチェンコ氏を引き合いに出し、こう続けている。

「イノウエの父親もそうだが、良いトレーナーは、ただ単にチャンピオンを生むだけじゃない。人間としても質の高い選手を育て上げるんだ。本当に良い仕事をしていると思う。もちろん、父親として良いことをやってきた人はたくさんいるけど、彼らは間違いなく息子と最高の関係性を築いている。どんな父親も息子があんな風に育ったら誇りに思うだろうからね」

 ボクシングの本場とされる米国で数多のファイターに携わってきたアトラス氏。人を指導する難しさを熟知するからこそ、真吾氏の手腕を評価せずにはいられないようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]