京橋界隈の呑兵衛たちにとっては憩いのカウンターが、大阪『立ち呑み まつい』にはある。

写真拡大

 勤め人が行き交う朝8時。大阪・JR京橋駅の北口改札を出てすぐの場所、黄色い看板の下で開店したのは『立ち呑み まつい』だ。

●立ち呑みの醍醐味がすべてある



 創業は昭和27年という70年越えの老舗。午前中からコの字型のカウンターに一人、またひとりと吸い寄せられ、この日は昼前にも関わらず、あっという間に満席になった。

 カウンターの中でひときわ濃厚な湯気を立てる名物のどて焼きはマスト。おでんの玉子とじゃかいもをマッシュした「おでポテ」は、出汁のまろやかさが加わることで酒を呼びすぎてしまう罪なポテトサラダ。「煮大根の串カツ」「梅焼きの串カツ」など、おでん種を串にしたメニューも楽しい。

 ずしりと重い錫のぐい飲みに入った日本酒を半分残し、おでんの出汁割りにすると、いよいよ酔いが回ってくる。カウンターを囲む正面のお客たちの良い表情を見ながら、肩を寄せ合って飲むのもまた一興。ああまだ、昼前だ。こんな幸せな朝呑みってあるだろうか。

『立ち呑み まつい』

住所/大阪府大阪市都島区東野田町3-5-1

※こちらの記事は、関西の食雑誌「あまから手帖」がお届けしています。

あまから手帖=https://www.amakaratecho.jp/amakaratecho/