井上拓真、兄・尚弥の“仮想挑戦者”スパーに自信「手応えバッチリ」 忠実再現でV3戦へ
井上拓真がV3戦へ練習公開
ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が3日、13日に東京・有明アリーナで行われる同級2位の元日本王者・堤聖也(角海老宝石)との3度目の防衛戦に向け、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。これまで兄・尚弥に“仮想・堤”を務めてもらい、仕上がりに手応えを口にした。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。戦績は28歳の井上が20勝(5KO)1敗、28歳の堤が11勝(8KO)2分け。
順調ぶりをアピールした。拓真はシャドー1回、サンドバッグ打ち1回を披露。軽快な動きで拳を打った。減量はリミット53.5キロまで残り4キロ。ここまで計78回のスパーリングを終え「いつも通りスパーで仕上げてきた。体重も順調。いろんな選手とやって、どんな形になってもいいようにしてきた」と対応力に自信を示した。
中でも世界スーパーバンタム級4団体統一王者の兄・尚弥と拳を軽く当てる形式の「マススパー」で調整。何でもできる最強の兄が“仮想・堤”を演じ、左右どちらの構えにもなる挑戦者への対策を進めた。計10回以上を消化。拓真は「具体的な内容は言えないけど、手応えはバッチリです。相手がどうしようが大丈夫」と振り返った。
父・真吾トレーナーも「尚弥が想定通りの動きをして、忠実にやってくれるので凄くよかった。(左右の内訳は)内緒です」と説明。大橋秀行会長も「凄くよかった。尚弥は上手いですよ。それに対して拓真がすぐに反応していた」と一端を明かした。
拓真は5月の東京D興行で指名挑戦者・石田匠(井岡)に3-0の判定勝ち。初回にダウンを奪われたが、2度目の防衛に成功した。同学年の堤にはアマチュア時代に全国高校総体で勝利。相手は雪辱の想いを口にし、気持ちが強い。特性Tシャツに描いた「OVER POWERED BLOW」が今回のテーマ。「テーマ通り圧倒して返り討ちにしたい」とベルトを死守する。
バンタム級の4つの世界王座は拓真のほか、WBCに中谷潤人(M.T)、IBFに西田凌佑(六島)、WBOに武居由樹(大橋)が就き、日本人が独占。拓真はかねて4団体統一を大目標に掲げ、14日に2度目の防衛戦を控える中谷との統一戦が期待される。
「ずっと言っていますが、中谷選手と互いに統一戦をやりたい気持ちが強い。そこに向けて堤選手にしっかり勝たないといけない」
14日と合わせ、異例の2日連続世界戦興行。1イベント7試合の世界戦は日本初となる。興行名はこれまでの「Prime Video presents Live Boxing」から「Prime Video Boxing」に改称され、第10弾として行われる。
【13日の対戦カード】
▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級2位・堤聖也(角海老宝石)
▽WBC世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・寺地拳四朗(BMB)
VS
同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)
▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級8位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)
▽WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦
同級1位・岩田翔吉(帝拳)
VS
同級2位ハイロ・ノリエガ(スペイン)
【14日の対戦カード】
▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)
▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級6位プメレレ・カフ(南アフリカ)
▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者アンソニー・オラスクアガ(米国)
VS
同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)
▽WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦10回戦
同級1位・那須川天心(帝拳)
VS
同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)
(THE ANSWER編集部)