「日本は閉ざされているが…」育成契約でも迷いはなし NPB初のチェコ人助っ人が巨人行きを決めた理由「環境は最高だった」
WBCで来日経験があったシュルプ。(C)Getty Images
シビアな契約であろうと、日本行きに迷いはなかった。9月25日に巨人との育成契約を締結したチェコ代表のマレク・シュルプだ。
193センチ、100キロの恵まれた体躯とアグレッシブなプレースタイルで、「チェコのジャッジ」とも称される25歳は、NPB史上初のチェコ人選手となった。今シーズンは米独立リーグのレイク・カントリー・ドックハウンズでプレーしていた彼は、「どこからともなく突然来た」という巨人からのオファーを即諾したという。
NPBは球界において「ハイレベルなプロリーグ」として認知されている。シュルプも母国紙『iSport』のインタビューで「閉ざされてはいるが、日本には世界で2番目に優れたリーグがある」と認めるところではある。とはいえ、チェコから遠く離れた東洋の島国での挑戦を決意させたものは何なのか。
巨人との契約後に行われた『iSport』のインタビューで「僕の夢はプロ野球でプレーすることだった。それがどこでも特に気にしていなかった」と語るシュルプは、自身の目で確認した“日本”への印象を赤裸々に打ち明けている。
「日本に行って、契約が素晴らしいものであることを実感したよ。見学した球団の複合施設で経験したことは、かつてないものだった。数え切れないほどの栄養士やフィットネストレーナーがいて、これまでの人生で一度も見たことのないようなテクノロジーも見た。宿泊する施設にはスパやジャグジー、サウナまである。とにかく環境は最高だったんだ」
さらに野球を取り巻く環境にも驚いたという。
「僕は組織が抱える3軍選手として日本に来た。すぐに昇格するような大きな契約でもない。それなのに入団会見には20〜30人ぐらいの記者がいた。その多さに驚いたよ」
“野球の本場”であるアメリカでも経験したことがなかった「好待遇」を受け、感動したというシュルプ。「今は日本で1軍に上がることが僕の究極の夢」と語る25歳の挑戦に興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]