米・フロリダ州の主要都市であるマイアミへの観光誘致を担当するマイアミ都市圏コンベンション&ビジターズビューローが、9月に東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPO2024」に初めて出展した。リゾート都市として知名度はありながらも、日本人にとってはまだまだ馴染みの薄い目的地と言えるマイアミ。EXPOに合わせて来日した同ビューローのJoe Docalディレクターに、日本人に対してどのような訴求をしていきたいか話を聞いた。

──マイアミといえばビーチリゾートのイメージが強い印象ですが、日本人にとってどのような楽しみ方ができる場所でしょうか。

マイアミはカリブ諸国からの移民が多く、音楽や食などの文化面にその影響が表れており、多様性に溢れたデスティネーションです。食の面では、ミシュランの星付きレストランの軒数が増えており、日本食のレストランもオープンしています。また、クルーズ船の寄港地としても有名で、マイアミからカリブ諸国へ行くツアーが人気です。さらに、エバーグレーズ国立公園とビスケーン国立公園の2つの国立公園があり、自然を楽しむことができるデスティネーションでもあります。その一方で、スポーツのメッカという一面もあります。

──スポーツといえば2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦の記憶が新しく、最近では大谷翔平選手がローンデポ・パークで「50-50」を達成した際に、「好きな球場の一つになった」と発言したことも話題になりました。

仰る通りです。マイアミ・マーリンズでもプレーしたイチロー氏は米国野球殿堂入りの可能性が高く、うれしく思っています。2026年にはWBCの準決勝と決勝戦が再びマイアミの地で開催されるので、また決勝戦で日本のナショナルチーム迎えられることを楽しみにしています。野球だけでなく、2026FIFAワールドカップの開催都市の一つにもなっているなど、いろいろなスポーツ観戦を楽しむことができます。

──米国の他のリゾート都市との違いはどのような部分にありますか。日本人にとっては地理的な視点からもハワイが身近ですが。

マイアミは“open to everyone”、つまり誰にでも開かれたリゾートシティであることが特徴です。例えばホテルの施設は宿泊者以外も利用できる場所が多く、一定の枠の中に収まらないステイスタイルを楽しめると思います。ハワイやカリブ海のリゾートなどは一定のエリアの中だけで滞在を完結できるスタイルが特徴ですが、マイアミは先ほど申し上げたように、国立公園やスポーツ観戦など、リゾートの外でも楽しめるコンテンツがあります。いい意味で特定のエリアの中だけで完結しない楽しみ方ができるのが他のリゾート都市との違いだと言えるでしょう。

「いずれにしても、日本人のみなさんには、まずはマイアミというデスティネーションを知ってもらうことが必要です」と話すDocal氏。マイアミ国際空港は米国南部のハブ空港として100以上の航空会社が就航し、1日400便以上を受け入れているが、日本への直行便はない。現地の報道によれば、同空港のトップが東京直行便の実現に向けて積極的に取り組みを継続しているという。日本人の取り込みを成功させるためには、直行便の早期就航がカギになることは間違いないだろう。