NY株式27日（NY時間16:26）（日本時間05:26）
ダウ平均　　　42313.00（+137.89　+0.33%）
S＆P500　　　　5738.17（-7.20　-0.13%）
ナスダック　　　18119.59（-70.70　-0.39%）
CME日経平均先物　37535（大証終比：-2315　-6.19%）

　きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は続伸。ただ、一時４５３ドル高まで上昇したものの、後半にかけて伸び悩んだ。本日はＩＴ・ハイテク株が戻り売りに押され、エヌビディア＜NVDA＞も下げに転じた。中国当局がエヌビディアのＡＩ半導体を巡り、同社製ではなく中国産の製品を購入するよう国内企業への圧力を強めていると伝わっていたことも圧迫。そのような中、ダウ平均とは裏腹にナスダックはマイナス圏での推移が続いていた。

　取引開始前に８月のＰＣＥデフレータが発表になっていたが。引き続きインフレの落ち着きを示す内容であったことから米株式市場もポジティブな反応を示した。コア指数が前月比０．１％と予想を下回り、ＦＲＢの利下げ期待を裏付ける内容ではあるが、年内さらにもう１回の大幅利下げなど、市場が織り込んでいる期待ほどの内容なのかは議論が分かれている。短期金融市場では１１月ＦＯＭＣでの利下げ幅は０．２５％と０．５０％ポイントで五分五分といった状況。

　市場は米経済のソフトランディングを裏付ける経済指標の発表を確認したがっている。今週の新規失業保険申請件数は米労働市場の底堅さを示し、第２四半期のＧＤＰ確定値は３％となっていた。一部からは「市場はＦＲＢが有意な措置を講じていることを歓迎している」といった評価も出ている。

　なお、中国の景気刺激策も材料視されているようだが、エコノミストからは物足りないとの指摘も出ていた。

　主要３指数は今週も上昇し、例年最悪の月とも言われている９月は、今年については好調な月で終わりそうだ。来週は１０月相場入りで金曜日には米雇用統計の発表、その翌週からは７－９月期決算へと続く。

　市場には全体的に楽観ムードが広がってはいるものの、最高値を再び更新している中で、さらに上値を追えるのか、１０月相場に入ってからのイベントを確認したい意向も強いようだ。

　会員制倉庫スーパーのコストコ＜COST＞が決算を受けて軟調。売上高が若干予想を下回った。アナリストらは好調な利益を評価する一方で、株価上昇の明確な推進要因が欠けていると指摘している。

　カジノのウィン・リゾーツ＜WYNN＞が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を１０４ドルに設定した。同社のバリュエーションがほぼ最低水準にあることと、ＵＡＥプロジェクトを市場は過小評価されている点をを理由に挙げている。

　ＨＰ＜HPQ＞が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を３７ドルとした。プリンター部門の利益は過剰であり、同部門の利益率低下はパーソナルシステムズ部門の上振れを相殺すると指摘している。

　家電販売のベスト・バイ＜BBY＞が上昇。米大手銀のアナリストが注目銘柄リストに同社株を追加した。パンデミック後の買い替え需要から利益を得ている小売業者だと指摘。

　スキーリゾート運営のベイル・リゾーツ＜MTN＞が下落。同社はコスト節減の一環として従業員の２％弱を削減すると発表した。同社は５－７月期決算（第４四半期）も発表し、１株損益の赤字が予想以上に膨らんだほか、売上高も予想を下回った。スキーヤーの来場者数が予想を下回った。

　量子コンピュータのイオンＱ＜IONQ＞が大幅高。米空軍の研究所から５４５０万ドルの契約を獲得した。契約は４年間に渡って履行される予定である。