「自分が唯一のチャンスだ」――大谷翔平がエ軍時代に抱えていた“悩み” 米中継で明るみになった打撃に影響を及ぼした悪癖

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今でこそ圧巻のパフォーマンスを見せる大谷。だが、シーズン序盤はチャンスをふいにする場面も少なくなかった。(C)Getty Images

 過去の“鬱憤”を忘れるような大谷翔平の歴史的パフォーマンスが続いている。

 現地時間9月25日に本拠地で行われたパドレス戦で大谷は、2本の適時打を含む3打数2安打2打点1盗塁を活躍。宿敵との手に汗握る首位攻防戦で存在感を発揮した。

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 出色の打撃内容で殊勲者となった大谷。6回に放った決勝打のシーンでは、打った直後に「シャーッ」と咆哮。一塁上でも自軍ベンチに向かって「カモーン」と鼓舞。その所作で勝利への執念を見せつけた。

 レギュラーシーズンも終盤戦に入り、大谷の集中力はかつてないほどに高まっている。ドジャースを率いるデーブ・ロバーツ監督も「人間じゃない。ここまで長く集中力を発揮している選手を、私は見たことがない」と認めるほどだ。チームがポストシーズン進出と地区優勝争いを続ける中で、とりわけ打席内で「あまり何も考えていない。打席に集中している」と本人も話す通り、研ぎ澄まされた状態にあると言っていい。

 勝利に恵まれず、チームとしての苦心が続いたエンゼルス時代に見られなかった真価を発揮する大谷。そんな彼がチームスタッフに明かしていた“ある悩み”が、25日のパドレス戦の中継内で明らかになった。

 地元スポーツ専門局『Sports Net LA』によれば、今シーズンの序盤から得点圏打率の低迷が続いていた大谷は、エンゼルス時代に好機で「自分が唯一のチャンス。やらなきゃいけない」と考えて大振り。打席内で自然と力む癖が出来ていたという。

 直近2週間で得点圏打率は.270と向上している。ドジャースのコーチ陣と続けてきた癖の修正が成功した結果が出ていると言えるだろう。今では得点機で力む素振りは見られず、まるで打ち出の小槌のように打点を稼いでいる。それは大谷自身も「基本的には場面関係なく、自分のいい打席を送ればいい結果が出る」と自信を深める通りだ。

 史上初となる「シーズン50本塁打・50盗塁」も達成し、レギュラーシーズン終盤に入っても記録を伸ばし続ける大谷。そのハツラツなプレーぶりは、エンゼルス時代に見られなかった姿だと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]