【料理クイズ】「きのこ」は調理する前に…洗うべき？洗わない？衛生面だけじゃない超納得の理由とは？
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テレビ朝日系列『スーパーJチャンネル』で、その日、きのこを特集していて、「きのこ」は調理する前に、水洗いした方がいいのか、しない方がいいのかを取材していました。街の意見としては、ちょっと洗う人、汚れていたらタオルで拭くくらいの人、虫が入っているかなと思ってなんとなく洗う人など、さまざまでした。
そこで、きのこの生産量日本一の長野県、JA全農長野に教えてもらいました。
きのこは洗うべきか、洗わないべきか？
プロのおすすめは…
洗わないです。
きのこを洗うと、きのこに含まれる栄養や旨味そのものが水と一緒に流れ出てしまいます。きのこは衛生管理された室内で栽培されているので、虫や汚れは付いていない状態。洗わないでそのまま使うことは可能です。洗うと水を吸ってしまい、きのこが水っぽくなってしまいます。
ただし原木栽培や露地栽培の他、衛生管理された屋内施設で栽培されたかわからないきのこは、洗った方がいいそうです。その場合も洗い流すと旨味が流れてしまうので、目に見える汚れなどが落ちる程度にするのがおすすめだということです。
そこで、筆者はきのこを洗ったものと洗わないものをソテーして、比較してみたいと思います。
きのこを洗ったものと洗わないものを調理してみた！
「きのこソテー（洗ってから調理）」
1. ボウルにしめじ1/2株、しいたけ2枚、まいたけ1/2袋を入れて水洗いします。水に晒した時間は約1分ほど。
2. ザルにあげ、水気を切り、適当な大きさに切ります。フライパンに入れ、オリーブオイルを小さじ1ほど入れ、中火にかけます。
3. かき混ぜたりせずに2分経ったら、全体をひっくり返し、さらに2分加熱します。
4. 塩少々を振り、さっとかき混ぜて出来上がりです。
「きのこソテー（洗わずに調理）」
1. しめじ1/2株、しいたけ2枚、まいたけ1/2袋を洗わずに、適当な大きさに切ります。フライパンに入れ、オリーブオイルを小さじ1ほど入れ、中火にかけます。
2. かき混ぜず、2分経ったら全体をひっくり返し、さらに2分加熱します。
ソテーしてみて、洗ったものと比べて全く水分が出ていません。ここまで変わるとは！
3. 塩少々を振り、さっとかき混ぜて出来上がりです。
「洗う？」「洗わない？」実際ソテーして食べ比べてみた！
右上が洗ってから調理したきのこソテー。左下が洗わずに調理したものです。見た目から違いがありますが、食べてみます。
では、最初に作った「洗ってから調理したきのこソテー」から。
うん、おいしいですよ。ちょっとふにゃっとしていますが、しっとりしていて食べやすいです。
では次に、「洗わずに調理したきのこソテー」です。
おぉ、全然違う！焼き目の付いたきのこは香ばしく、歯ごたえがいいです。何より噛む度に口の中できのこの旨味があふれ出します。洗ってからソテーしたものは、水分と旨味がきのこから流れ出てしまいましたが、こちらはきのこの中に水分も旨味も閉じ込められていますね。これは歴然とした違いです。おいしさは断然洗わない方に軍配が上がりますね。
きのこの成分
きのこの栄養成分は一般的にビタミンB1、B2、ナイアシン、カルシウムなどを含みます。水分は約90%、エネルギー量は少ない食材です。きのこにはグアニル酸という旨味成分が多く含まれています。
しいたけには上記のほかに食物繊維、がん抑制作用に効果があると言われているβ‐グルカンや、コレステロール値を下げる働きのあるエリタデニン、ビタミンDの補給に役立つエルゴステロールなどの成分も。まいたけも食物繊維、β‐グルカン、エルゴステロールが含まれるほか、三大栄養素（たんぱく質、炭水化物、脂質）の代謝を促す作用のあるナイアシンが多く含まれているのが特徴です。しめじも食物繊維、エルゴステロールが多く含まれ、エネルギー代謝に関わるビタミンB2が特に多く含まれます。また、肝臓の代謝機能を高める働きのあるオルニチンも多く含まれています。
きのこは、調理する前に洗うか洗わないかで、同じ調理法でも全く違った仕上がりになりました。洗ってから調理するとべちゃっとしてしまい、きのこ自体の味が薄まってしまいました。それに比べて洗わないきのこはシャキッとしていてきのこの味が濃厚です。ちょっとびっくりするほどです。きのこを調理する時は洗わずに調理することをおすすめします。参考にしてみて下さいね。
参考文献：
新食品成分表FOODS 2023 東京法令出版
からだのための食材大全 監修者 池上文雄 他 NHK出版
