あの“デカい紙”のこと、何て呼んでた?(画像はイメージ)

写真拡大

 小学校での調べもの学習などの発表に使われる“デカい紙”といえば、多くの人が「模造紙」を思い浮かべることでしょう。しかしこの紙、実は地域ごとに異なる呼び名が存在するようです。そこで、新潟や北陸エリア、中部地方における“デカい紙”の呼び名とその背景について、SNSの声から探ってみました。

大洋紙=「大きな洋紙」?

 まず、一般的に呼ばれている「模造紙」の由来は、明治時代に大蔵省印刷局が開発した「局紙」にあります。ツヤがあって丈夫な紙である局紙は、ヨーロッパでより安価で良質な紙に改良され、日本はその紙をさらに“模造”して製造したため、「模造紙」と呼ばれるようになったといわれています。

「模造紙」の呼び名が普及しなかった新潟県では、「大洋紙(たいようし)」という独自の呼び名があります。聞き慣れない人が多いかもしれませんが、新潟県民にとってはなじみ深い名前のようで、「タイヨウシって言ったら新潟出身確定だよね」「東京で通じなくてびびった」といった声が上がっていました。なお、「大洋紙」という名前は、「大きな洋紙」から来ているそうです。

 北陸エリアでは特殊な名前が多く、富山県では「ガンピ」という呼び名でも知られています。ガンピは、ジンチョウゲ科の落葉低木「雁皮(がんぴ)」から取れる繊維で作られた高品質な和紙「雁皮紙」を短くした名前。もともとは和紙ですが、「良質な紙」という特徴から、模造紙の別名として呼ばれるようになったとされています。

 その他、中部地方では「B紙(ビーし)」という呼び名も。名前の由来については2つの説があり、一つは「模造紙のサイズがB1判に近いから、『B紙』と呼ばれるようになった」説、もう一つは「『B模造紙』から来ている」という説です。模造紙には、光沢のある「A模造紙」とツヤ消しの「B模造紙」があり、「B紙」という名前は、この「B模造紙」を短くしたものだともいわれています。

 あなたの出身地では、あの“デカい紙”のことをどんな名前で呼んでいますか? 模造紙の呼び名は地域によって異なり、それぞれの地域ごとに独自の背景を反映しているようです。もし、“デカい紙”について話す機会があれば、相手が使う呼び名を聞いて、その人の出身地を予想することで話題が広がるかもしれませんね。