あのスリーマイル島原子力発電所が再稼働しMicrosoftへ電力を供給することが決定
アメリカのペンシルベニア州に位置する「スリーマイル島原子力発電所」は、1979年に2号機がメルトダウンを起こしたことで知られています。そんなスリーマイル島原子力発電所の1号機が2028年までに再稼働し、Microsoftに電力を供給することが明らかになりました。
Constellation to Launch Crane Clean Energy Center, Restoring Jobs and Carbon-Free Power to The Grid
Crane Clean Energy Center
https://www.constellationenergy.com/our-company/locations/location-sites/crane-clean-energy-center.html
Constellation Energy to restart Three Mile Island and sell the power to Microsoft
https://www.cnbc.com/2024/09/20/constellation-energy-to-restart-three-mile-island-and-sell-the-power-to-microsoft.html
スリーマイル島原子力発電所には1号機と2号機の2つの原子炉が設置されており、このうち2号機は1979年にメルトダウンを起こして稼働停止しました。その後も1号機は稼働し続けていましたが、2019年に経済的な理由から稼働を停止をすることとなりました。
新たに、アメリカの大手電力会社のコンステレーション・エナジーが「Microsoftと20年間に及ぶ電力供給契約を締結し、スリーマイル島原子力発電所の1号機を再稼働することを決定した」と発表しました。合わせて、スリーマイル島原子力発電所の名称を「Crane Clean Energy Center (CCEC)」に変更することも発表されています。
CCECの1号機は2028年までに再稼働する予定で、再稼働後は約835メガワットの電力を供給可能とされています。また、1号機の再稼働は3400人分の雇用を創出し、ペンシルベニア州およびアメリカの税収が36億ドル(約5200億円)増加し、ペンシルベニア州のGDPは160億ドル(約2兆3000億円)増加するとのこと。
なお、Microsoftが電力を求める理由には「AIデータセンターの消費電力急増」が影響していると考えられています。AIの研究や運用には大量の計算処理チップを稼働させる必要があるため、AI関連の計算処理を実行するデータセンターは膨大な電力を消費します。このため、「地域の電力網をデータセンターが圧迫する可能性がある」として地方議会がGoogleのデータセンター建設計画を拒否するといった事態が発生しています。
Googleのデータセンター建設計画が持続可能性要件を満たしていないとして南ダブリン郡議会が拒否 - GIGAZINE