それからも半月ほど彼と一緒に暮らしていたそうですが、その間に離婚届を提出。それにともなう諸手続きも済ませたそうです。

 また、離婚については弁護士に一任。リビングのテーブルに夫に宛てた手紙を残し、実家に戻ったといいます。

「出て行った日の夜、彼からの電話に出ると『勝手に離婚届を出すなんて聞いてないぞ!』と文句を言われました。でも、あなたにそれを言われる筋合いはない、あとは弁護士さんを通してください、と話して電話を切りました」

 義両親には離婚後に報告する形になってしまい、そのことを詫びましたが「こちらこそ愚息が迷惑をかけて申し訳なかった」と義父から丁寧な謝罪を受けたそうです。

「彼からは慰謝料を頂きましたが100万円だけ。私のケースだともっと請求することも可能だったみたいでしたが勝手に離婚届を出した分、安くしておきました。こんな結末になるとわかっていれば、最初に浮気が発覚した時点で別れていたんですけどね(笑)」

 最近は結婚の際に用意しておくカップルも増えている記入済みの離婚届。それを提出することにならないのが一番ですけど、持っていればいざという時の安心感になるのかもしれません。

 またパートナーの知らないうちに離婚届を出した場合に、相手が調停や訴訟をした場合は離婚が無効になる可能性があり、提出した側も、たとえ署名・捺印が本物であっても公正証書原本不実記録罪などに問われる場合もあります。

 くれぐれも離婚届けを軽く扱わないよう注意してくださいね。
<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。