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 7月22日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。夏休み編2024』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

参考:【写真】那須川天心の弟・りゅうじんがそのに告白 結果は……?

 以下より、9月2日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・じゅま×ゆう、長きにわたる恋がついに完結「ゆうちゃんに、本当に感謝しかない」

 秋の気配を感じる今日この頃。今年の『夏休み編』はただ情熱的なだけでない、ここ最近の気候のように、どこか涼しさを感じる終焉となったーー。

 その理由の大半を占めるのが、じゅま(坂本ジェルー寿真)×ゆう(早坂ゆう)の物語にピリオドが打たれたから。じゅまは“最後のアピールタイム”で、事前に準備してきた彼女の“好きなところリスト”を読み上げ、“運命の人”を花言葉に持つ、一輪のバラのプリザーブドフラワーをプレゼントする。そして事前に宣言していたとおり、今回の旅での特別ルールを利用して、自ら“フライング告白”。だが、多くの視聴者は彼の告白を見ずとも、結果はわかっていたのではないだろうか。

 理由はふたつ。はじめに、今回の旅を途中で後にするメンバーが5名いると事前予告があり、かつすでに4名分の枠が埋まっていたから。もうひとつの理由は、ふたりに笑顔が、もうないから。

 これは見逃し配信で確認してほしいところだが、出会った頃のふたりは本当に楽しそうだった。だが時間が経つにつれて、徐々に笑顔が少なくなり、特にゆうは相手のことが本当に好きかを考える時間があまりの“しんどさ”と変わりつつある印象が見て取れた。その想いが結果として、たとえ相手を嫌いでなくとも、彼女のなかで幸せな未来をイメージさせづらくなってしまったのかもしれない。少なくとも、筆者はそんな想像をしてしまった。

 もしかしたら、じゅまもまた、ゆうと同じ感覚を味わっていたのかもしれない。もっと楽に考えてもいい。そう言われるかもしれないが、過去複数回の旅で、ふたりが背負う荷物が多くなっていた。告白前、じゅまが見せていた表情は自信がなさげで、やや誇張気味かもしれないが、思い詰めたものだった。直前のアプローチにも、もう“やり尽くした感”があり、あれ以上の方法はないものに思えた。だからこそ、ゆうが今回の旅できっぱりと答えを出してくれたことが、せめてもの救いのように映ってしまった気がする。この告白をもって、じゅまはこの場で旅を終えることとなった。

 最終的に、ゆうはじゅまではなく、けんたろう(中村健太朗)を選んだ。それでも先に明かしてしまうが、けんたろうとゆうが結ばれることはなかった。けんたろうに対する告白に向けて、じゅまはゆうに「頑張って」「3回の旅を通して、好きでいさせてくれたゆうちゃんに、本当に感謝しかない」と、優しい言葉を口にしていた。もし自分も誰かを好きになったら、そんなことを言えるくらいに人を想いたいし、本当に見習いたいと思う。じゅまとゆうの恋が、オーストラリアの地でどちらも散ったーー。ゆうから返却された思い出のハンカチが、今度はじゅまの涙を拭うなんて。そんな未来は想像すらしていなかった。

 じゅま本人こそ、今回が最後の『今日好き』だと覚悟をしていたが、可能であれば、彼の恋が報われるところを観たい。そのとき、隣にいるのがじゅり(榊原樹里)だったら、もっと色々な恋が報われるのに……。

・その、こうき&りゅうじんの間で揺れ動いた想いーーそれでも抱けなかった“確信”の正体

 悲しい話ばかりしていても仕方がないが、こうき(高橋紅輝)とりゅうじん(那須川龍心)は、揃ってその(平松想乃)に告白するも、想いは実らず。こうきは最後のアピールタイムを利用し、ギリギリまでアプローチ。一方、そのはあえてアピールタイムの時間を使わず、残されたメンバー全員が見ている前で、“あえて話はしない”と宣言した。最後まで、“漢”を貫いたわけだ。

 ふたりがフラれたのは、あくまで別々の理由である。結果こそ同じであれ、そのの言葉から考えれば、りゅうじんの方がこうきを一歩上回っていた。こうきとは、お付き合いする未来を考えられなかったから。りゅうじんについては、彼の人となりをもっと知りたいとは感じたが、その想いが恋愛感情なのか否か、現時点では確信が持てなかったという。

 この“確信”こそ、『今日好き』に一生付き纏うであろう、“2泊3日じゃ判断できない問題”の根底にある課題なのだが、それを憂いても仕方ない。いまはとにかく、りゅうじんが最後に勇敢に語ってくれた「負けたままじゃ終われないんでね、次もあれば勝てるように頑張ろうかな」という言葉だけを信じていたい。

・けんたろう、みあを不安にさせすぎ!? マイペースさ全開のアピールタイムから告白まで

 今度こそ、悲しい話ばかりをしていても仕方がない! が、どうにも力の抜ける展開というか、最後の最後まで“ツッコミ祭り”にしてくれたのがこの男子。問題児こと、けんたろうである。

 彼は最終的に、みあ(藤田みあ)に気持ちを絞ったものの、アピールタイムに誘った順番は、なぜかゆうから。しかも、彼女に好意がないにも関わらず、全員からどんな話をしたのか尋ねられた際には、妙に好意がありそうな意味深な言葉を返し、みあをますます不安にさせる。そのまま、“ずっと俺のターン”状態で、今度はみあを2ショットに呼び出し。あまりのマイペースぶりに、誰もついていけない……。

 彼のペースに最も振り回されたのは、誰でもないみあだろう。「オレはみあちゃんへの気持ちが大きいから、ゆうちゃんの気持ちには応えられないっていう話をしてきました」の一言に、途中から“ん? 話が見えないんだけど?”と、それまでの流れと真逆の展開に、喜びの感情が追いついていなかったみあ。誇張抜きで、無理もなさすぎる。普段こそ、スタジオの癒し的存在である中川大輔ですら「(自分も)男ですけど、男ってホント……って想いました」「ちゃんと言葉にして!」と、語調を強めていたくらいだ。

 このままいくと、みあの気持ちが萎んでしまい、実る恋も実らなくなってしまうのでは。というか、もうお互いの気持ちがわかっているのだから、この場でフライング告白をしろ、くらいに思ったまま、いよいよクライマックス。夕方のビーチで、告白の時間を迎えた(けんたろうはよもや、ゆうと向き合う優しさから、告白を引っ張ったのかもしれないが)。

 だが、けんたろうから「ちょっと待って!」の静止が。まさかの展開だが、フライング告白ができる特別ルールを、この間際のタイミングで発動。「こんな変な僕だけど、付き合ってくださーい!」の告白こそ、あまりに自己理解が深いなと思わされたが、みあが笑顔を滲ませるあたり、先ほどの不安感も杞憂に終わったのだろう。見事、カップル成立である。

 けんたろうはどうにも“Sっ気”があるのか「不安だった? ごめんね? びっくりした?」と矢継ぎ早に“振り返りの会”でまくしたてたほか、「ずっと不安!」と打ち明けたみあの“不安の正体”が、靴が濡れそうな波打ち際を歩いているからだと誤解したらしい。不安の正体、君自身だよ? 本当に見ていると力が抜けるゆるゆるカップルが誕生してしまったが、みあの舵取り力を頼りに見守っていたい。

 総括するに、昨年とはまた異なる、複雑な感情になることの多い『夏休み編』だった。来年はもう少し、安心してメンバーの恋を楽しみたいものだが、『今日好き』屈指の力量を込める『夏休み編』。安心できる恋なんて、どこにもない?

(文=一条皓太)