原爆の恐ろしさを日常のなかで感じてもらおうと、都内の大学生がデジタル技術を使った企画を立ち上げました。なんでも渋谷の上空にきのこ雲を「再現」するそうです。初めての取り組み取材してきました。

もしも再び核兵器が使われてしまったら・・・

実験の舞台は1日50万もの人が行き交う渋谷のスクランブル交差点です。

「お すごーい」「あーめっちゃ きのこ雲」

スマートフォンに写し出されたのは原爆投下後の急激な上昇気流によってできたきのこ雲です。

AR=拡張現実の技術を使うことでカメラを動かすと実際の渋谷の映像に合成されたきのこ雲を見ることができます。

「でけー渋谷がすっぽり埋まるじゃん」

東京で核廃廃絶を目指し活動している学生らによる団体「KNOW NUKES TOKYO」などが制作。スクランブル交差点から約1.5kmの場所に広島型の原爆が投下された想定です。

ARを制作 デザイン会社勤務 金 達也さん「被爆者にヒアリングとかもしたんですけど、実情はこんなきれいなものじゃない、全然表現しきれていないと指摘をいただいた。未完成ですしそれをAR技術で全部まかなえるとも思っていない」

ターゲットは同じ若い世代です。SNSで画像を共有することで原爆の脅威を可視化して広げたいとしています。

大学3年「(核兵器が)僕の中で身近な存在ではなかった。普通に生きていたら絶対にそんなの落ちることないなと。今もあるという前提で考えるとめっちゃ怖いなと」

制作を企画 ノー・ニュークス・トーキョー 中村涼香さん(大学4年)「ちょっとした恐怖感とかきのこ雲を見た嫌悪感をシェアしていく。クオリティを上げていく余地があると思うので、制作開発していく段階に活かしていきたい」

きのこ雲のARは1日から公開され、9月にはAIなどによって被爆の実態を伝える企画展を都内で開く予定です。