ピアニスト・菊池洋子、バッハのピアノ曲「ゴルトベルク変奏曲」を演奏するリサイタルを開催
2024年7月24日(水)サントリーホール ブルーローズにて、『 菊池洋子 ピアノ・リサイタル J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』が開催される。
本公演は、作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハの命日である7月28日を前に、同作曲家が書いたピアノ曲「ゴルトベルク変奏曲」を菊池洋子が演奏するリサイタル。同曲は、菊池が「人間の一生を表しているような作品。長い時間をかけて覚悟を持って取り組むべき作品であり、この作品とともに人生を歩んでいきたい」と語る作品で1740年代に作曲されて以来、約280年にわたって数多の演奏家に演奏されてきたクラシック音楽における不朽の名作。
日本における菊池のキャリアは「モーツァルト作品の演奏のスペシャリスト」として始まった。彼女の音楽の特徴である“ピアノの音色の色彩の変化”、“透明度が高く研ぎ澄まされた美音”は、全32曲からなる「ゴルトベルク変奏曲」においても、楽曲の本質を表現するものとして、同曲を取り上げた過去のリサイタルで高い評価を得ている。「弾くたびに、聴くたびに新しい発見がある曲」との菊池の言葉の通り、毎年着実にアップデートを重ねる「“菊池洋子の”ゴルトベルク変奏曲」。開催が迫る本公演に期待しよう。
菊池洋子 コメント
菊池洋子 (C)Marco Borggreve
ゴルトベルク変奏曲を演奏会で弾き始めて4年目になります。
2022年からは毎年J.S.バッハの命日に近い日程で数回の演奏会を行い、今年もその時が近くなり気持ちが高まってきました。<音楽の父>と言われるバッハは全ての作曲家が学び、そして出発点でありバッハの音楽があったからこそモーツァルトもベートーヴェンもその後の多くの作曲家の音楽も存在します。
ゴルトベルク変奏曲は音楽的にも技巧的にも鍵盤楽器奏者にとってエベレストに登るようなチャレンジングな作品のひとつです。シンプルで美しい32小節のアリアに始まり、30の変奏曲を経て最後に再びアリアで締めくくる32曲、まるで人間の一生を表しているかのような曲だと感じています。最後のアリアを弾く時には新たな人生が始まるような希望の光を感じます。弾いていると日々の日記を綴っているような気持ちになったり、これまで思い出すこともなかった昔の記憶が蘇ってきます。
お聴きくださる皆様と毎年ゴルトベルク変奏曲の山登りに挑戦し一歩ずつ前に進み、登りながら見えてくる景色の変化と共に、どのような世界が目の前に広がり待っているのか今年も楽しみでなりません。