大規模崩土の国道「新ルート建設」で復旧へ!? 長大トンネルで被災現場をショートカット! 完成まで約5年 奈良〜新宮つなぐ国道169号
深層崩壊の危険 大きく迂回せざるを得ず
国土交通省 奈良国道事務所は2024年6月27日、土砂崩れで半年以上通行止めになっている下北山村の国道169号について、一般的な現場復旧を断念し、新しくトンネルを掘ることを決定しました。
国道169号は奈良県奈良市から南下し、吉野町、三重県熊野市を経て、和歌山県新宮市に至ります。
【画像】えっ…!? これが壮大な「新ルート復旧」の計画イメージです(10枚)
奈良盆地を抜けると延々と山岳区間が続き、深い谷間にへばりついてクネクネとカーブが連続するルートになります。
その国道169号は、三重県境にほど近い池原ダム湖付近の下北山村上池原で、2023年12月23日に大規模な土砂崩れが発生。車2台が巻き込まれ、2名の死傷者が出ました。以来、一般車は全面通行止めとなっています。
地質調査などの結果、山腹がまるごと崩壊する「深層崩壊」の可能性もあるとして、根本的な対策の検討が進められてきました。
その検討の結果、工事の難易度や工期、コストなどを勘案して選ばれたのが、「被災箇所を含む周辺部をまるごとショートカットするトンネルの建設」となりました。
別線トンネルは、前鬼橋から上池原交差点を直線で結ぶ、総延長約2.7kmのトンネルとなります。ルートは、深層崩壊が起きた場合でも、想定すべり線から130m以上が確保されるように計画されています。
工期は約4〜5年。工費は約180億円と試算されています。