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ディズニーによる名作アニメのリメイク化は一定の成功を収めているが、オリジナル版と比べて不満を持つファンも多いようだ。超実写版『ライオン・キング』(2019)の新作『ムファサ:ライオン・キング(原題:Mufasa: The Lion King)』にも、ファンから「魂がこもっていない」との批判が向けられた。これに対し、監督のバリー・ジェンキンスが反論している。

ジェンキンスは自身のX(旧Twitter)で、『ライオン・キング』公式アカウントが投稿した『ムファサ』の予告編をリポスト。すると1人のXユーザーが、米ディズニーのボブ・アイガーCEOを引き合いに出して、次のように返信した。「バリー、あなたはアイガーの"魂のない機械”に取り組むには、あまりにも優秀で才能がありすぎる」。

作品に魂がこもっていないとする批判を受け、ジェンキンスは反論。オリジナル版がシェイクスピアの戯曲『ハムレット』を題材にしている点を踏まえ、次のように返信した。

「『ライオン・キング』に魂がない作品などない。何十年もの間、世界中の映画館で、子どもたちが初めて集団的な悲しみを経験し、初めてシェイクスピアと接し、さまざまな言語で会話をしてきた。集団で感情を共有するための最も強力な手段なんだ。」

すると別のユーザーもこの議論に参加。ジェンキンスが監督・脚本を務めた『ムーンライト』(2016)公開時に彼にインタビューしたと述べ、「あの時のバリー・ジェンキンスなら、今あなたが述べたようなことは言わないでしょう」と皮肉を込めた。

ジェンキンスはこれに「どういう論理だ?」とし、複数の動画をシェア。動画の内容はジェンキンスが「映画製作」をテーマに子供たちと交流するもので、次のように説明した。

「これは、“『ムーンライト』を発表したバリー・ジェンキンスと同じバリー・ジェンキンス”の動画だ。僕が『ムーンライト』を執筆していた頃と同じ時期に、空き時間で行っていたことを紹介している。」

同じユーザーが「問題は、子供向け映画をやっていることじゃない」「アイガーの"魂のない機械”にはあまりにも優秀で才能がありすぎる、という意見に同意してるんだ」と返すと、ジェンキンスは次のように、話を締めくくった。

「あなたは『あの時のバリー・ジェンキンスなら、今言ったようなことは言わないだろう』と述べた。でも、もういい。あなたがそう言ったから、僕は答えたんだ。もう終わったことだ。そろそろ仕事に戻るよ。敬意を表します。」

ジェンキンスに向けられたコメントは、まだ公開されてすらいない作品を批判するだけでなく、まるで彼が魂を売ったとでも言わんばかりの内容である。しかし米によると、元々ジェンキンスには幼い甥たちとオリジナル版を観た思い出があり、『ムファサ』の脚本は彼の心に響いたという。作品に深い思い入れがあるからこそ、こうしたファンの批判に反論し、誤解を説く必要を感じたのかもしれない。

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