日本代表MF久保建英(ソシエダ)が11日、アジアカップに向けた全体トレーニングに初めて合流し、さっそく5対5のポゼッション練習でフリーマンを務めるなど、順調な回復ぶりを見せた。練習終了後には報道陣の取材に応じ、試合出場に向けて「いい感じ。順調に仕上がっていると思います」と前向きな見通しを示した。

 久保は今月2日のラ・リーガ第19節アラベス戦を終えた後、カタール・ドーハでアジア杯を控える日本代表に合流。合宿当初はアラベス戦の終盤に痛めた左太ももの治療のため、室内での別メニュー調整が続いていたが、11日のトレーニングから無事に全体練習に復帰し、公開された50分間のセッションには全て参加していた。

 久保は現在のコンディションについて「問題ないです。今日やったところは問題なかったので次に進むという感じ」と順調をアピール。「初戦出場の可能性は?」という報道陣の質問には「そうなってくると話は変わってくる。無理するところなのかなという感じ」と笑みを浮かべてかわしたが、大会序盤にはプレーできるコンディションになりそうだ。

 今回の負傷は左太ももだけでなく、「いろいろあったので。何箇所もというところでさすがに無理できなかった感じですね」と久保。「いつもなら無理してましたけど、無理できないくらいだったのでやるべきじゃないなと」と慎重な調整の背景を明かした。

 一方、代表合流後は一部トレーニングであれば合流できるコンディションだったようで、「僕自身はずっとやりたいやりたいと言って、メディカルの人がまあまあ無理するところじゃないよってことで(復帰時期が)今なので、順調なのかなと思う」と前向きに語った。

 ラ・リーガでは実績を重ねるにつれて激しい警戒を向けられることが増え、複数のマーカーに対応されるというだけでなく、悪質なファウルを受ける機会が増えた。昨年12月21日の第18節カディス戦では試合中に脇腹を殴られ、肋骨にヒビが入ったという報道も。この日、久保は「(状態は)わかんないですね。せっかくのオフをもらったので検査するのは嫌だったので」と冗談まじりに振り返りつつも、「まだ痛い時もある」と明かした。

 スペインと同様の激しいマークはアジア杯でも必至。それでも過度な意識はしていないという。

「スペインのほうが正直、悪質なプレーは多いと思うので。たぶんアジアの選手はボールに行ってのファウルで、僕はしょうがないと思うし、それは割り切っている。そういう選手なので。削られたり、止められることは覚悟しているけど、ボールに行かないとか手が出るとかは勘弁してほしいなと。こういった大会ではそういったことはないと思うので、不幸中の事故がないことは自分も気をつけたいけど、あまり心配していないですね」。まずは現在のコンディションを戻すことに集中し、不安なく大会に臨んでいく構えだ。

(取材・文 竹内達也)