“元”不登校YouTuberゆたぼん「高校も行こうかなと思い始めてる」という心境の変化。それでも「不登校を経験してよかった」と思う理由は? 不登校児増加に持論も展開

不登校となった小3からYouTuber活動をスタートさせたゆたぼん。「学校なんて不要」の持論で社会の教育システムに一石を投じた彼もいまや中3となり、今年9月から学校に通うように。その心境の変化は前編でお伝えしたが、後編ではアンチへの提言と、不登校が増加する社会について一言もの申す。(前後編の後編)

一番の思い出は「スタディ号」

――「ゆたぼんはYouTubeで稼げなくなったから学校に行き始めたのでは?」という意見も出ていますが。

ゆたぼん(以下、同) それはほんまにないですね。よく「お金のためにやってるんだろ」とかアンチに言われるんですけど、YouTubeは稼ぐためにやってるわけじゃなく、自分が楽しいからやってるんで。


――不登校期間のYouTube活動などで、一番勉強になったと思うことは?

やっぱり「スタディ号」(※1)で日本一周して、いろんなところでいろんな人に会って、学校では学べないような体験ができたことですね。ほんま一生に一回できるかどうかなんで。

※1…不登校児を勇気づけるという名目のもと、ボンゴトラック「スタディ号」で全国をめぐる、クラウドファンディングを利用した動画企画

ゆたぼんとスタディ号

――しかし、世間からはすごく叩かれ、炎上もした。

たぶん嫉妬だと思うんですよ。自分らが中学生のときはもちろん、今でもそういうことができないから。

最初は俺も叩かれて落ち込んだけど、途中からは「お前らに関係ないやんけ」みたいな(笑)。

アンチはみんな匿名だし、目の前で直接、意見を言ってくる人はいなかったんで、気にならなくなりましたね。

――誹謗中傷される人の気持ちがわかる、と。

そうですね、誹謗中傷はやっぱりイヤですよ。

俺の場合、アンチは「いいから学校行け」とか行ってくる人が多いけど、なかには度を越して「死ね」「殺す」とか言ってくる人もいるんで、俺も弁護士さんにお願いしてます。

不登校はダメ」という固定観念が子どもを追い詰める

――アンチと誹謗中傷をきちんと分けて、考えているんですね。

全然違いますね。

俺はアンチはスルーしてますが、学校内で起こるいじめなんかは誹謗中傷に該当すると思ってます。体験談ですけど、「死ね」とか言われるとかなり傷つくんで、いじめは本当にやめたほうがいいです。

――今のご時世、学校だけでなくネットでの誹謗中傷などで傷ついて不登校になる子もいますよね。

オンラインインタビューに応じるゆたぼん

世間の「不登校はダメだ」って意見で、学校に行ってない自分はダメだって思わないでほしいです。

不登校は悪いことじゃないし、学校に行かなくても俺みたいにフリースクールだったり自主勉強だったりと、学び方はたくさんあるんで、自分を責めないでほしいです。

俺は「自分が行こうと思えるようになってから行ったらいい」って前から言ってるんで。

――小学生の不登校が増えている理由はなんだと思いますか。

親やまわりが「絶対に学校に行かなきゃいけない」と言ってるからじゃないですか。それで無理やり行かされて、辛い思いをすると自殺とか考える原因にもなると思うんです。

学校に行かなくても勉強はできるし、友達もつくれる。本人も行きたいときだけ行けばいいんだって考えになれば、悪いようにはならないと思います。

高校には行こうかなと考え始めてる

――ゆたぼんもその考えに救われた?

オヤジとオカンの「学校に行かなくてもいいよ」という言葉に救われました。もしも無理やり行かされてたら俺はこんな感じのキャラじゃなかっただろうし、「ゆたぼん」って存在も生まれてなかった。

――高校進学は考えている?

高校は行こうかなって思い始めてます。

でも将来は今と変わらずやりたいことやって、お金も稼いで幸せに生きていたいなってだけで、全然決まってないです。

――いろいろと誤解するところもあったのですが、こうしてちゃんとお話ができるんですね。

活動を通していろんな大人と接したおかげだと思います。それも学校で学べないことのひとつじゃないですか。不登校になる前の小学生低学年のときは人見知りでまともに人と話せなかったですから。だから不登校も経験してよかったと思います。

――最後に、新しい生活に飛び込んだゆたぼんから、ファンに向けて一言お願いします!

学校に行き始めても俺は何も変わらないんで、あらためて「人生は冒険だ!」。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班