物価上昇が続く中、少しでも家計負担を減らしたいと思う方も多いのではないでしょうか。食費は毎日確実にかかるものなので節約できれば家計の改善に効果的です。今回は世の中の人がどれくらい食費に使っているのか、食費の節約術を紹介します。

1.世の中の人は月にどれくらい食費にお金をかけている?

食費負担を減らすには「食費の中のムダを減らすこと」が大切ですが、そのためには自分の食費が高いのか安いのか判断する材料が必要です。食費の適正価格は、収入や住んでいる地域、家族構成などによっても変わるので絶対的な額はありませんが、家計調査結果をひとつの参考とできるでしょう。

「家計調査(家計収支編)」(総務省統計局)によると、2022年の2人以上世帯全体の平均食費は7万7,474円/月。消費支出は29万865円/月ですので、消費支出の約26.6%を食費が占めていることになります。項目としては「魚介類」、「野菜・ 海藻」などが減った一方で、「外食」及び「菓子類」が実増加しました。コロナ禍が徐々に落ち着く中で、テレワークが減り、レジャーなどの外出も増えたことも一因とみられます。

統計局ホームページ「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」
(世帯人員別:二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯)および(単身世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯・無職世帯)より ※消費支出に占める食費の割合は小数点第2位を、1人当たりの食費額は小数点第1位を四捨五入

世の中の平均と比べて、皆さんの家庭ではいかがでしょうか。最近ではスーパーで少量パックも販売されていますが、概して量が多いと食材1単位当たりの単価も下がる傾向があるので、世帯の人数が増えるにしたがって、一人当たりの食費額は減る傾向にあります。

上記の統計データから見ると、食費が消費支出の25%前後に収まっていれば平均といえるでしょう。食料費、外食費は住んでいる地域によってもかなり変わりますが、ひとつの目安としてみてください。

ちなみに、2人以上世帯の勤労世帯全体では消費支出に占める食費の割合は25.1%、65歳以上夫婦のみ無職世帯全体では28.5%となっています。高齢になると食費は減りがちになりますが収入も減るので、消費支出に占める食費の割合は大きくは変わらないようです。

2.食費を節約するポイントは?

おおよその月の平均食費を把握したところで、食費を節約するポイントをいくつかご紹介します。自分に合うものを取り入れてみてはいかがでしょうか。

1週間分の献立を作って、予算をつけて買い物は週に2回程度でまとめ買い

一日の予算をつける、という考え方もありますが、食材のムダをなくすためにも1週間の予算をつけて、予算内で1週間分の献立をまとめて作っておくのがおすすめです。献立を毎日考えるのは結構面倒ですし、時間もかかりますよね。1週間分まとめて考えて、食材をムダなく使いまわせる献立作りや、足りない分だけ買い物する習慣をつけることで、時短・節約にも役立ちます。

献立を作る際には、シャケ、タラなどがっちり決めるのではなく、火曜日は「魚」など、少しアバウトに決めておくのもポイントです。きっちり決めてしまうと、その食材がなかった場合に困ってしまう、ということもあるでしょう。あらかじめ、「この魚があれば●●」など代替案を作っておき、そのときに安い素材を採用する、というのもひとつです。

かく言う筆者も1週間の献立を作り、1週間分の予算だけを家計用のお財布に入れ、買うべきものをメモして買い物に行っています。必要なものだけをさっと買ってさっと帰ると時短になりますし、余裕のお金がないので無駄なものを買わずに済みます。

また、食材をまとめ買いをすると、同じような献立になってしまいがちになるのも悩みのタネかもしれません。そんなときはレシピアプリの素材検索機能を活用して、例えば、お昼にミートソースパスタを作ったら、少しミートソースを冷凍しておき、別の週にナス田楽にして1品にするなど、冷凍も活用して工夫を楽しんでも良いでしょう。

冷蔵庫に入っている物は一目でわかるようにしておく

献立をまとめて考えて、足りない分だけ効率よく買い物するためには、冷蔵庫の中身を一目でわかるようにしておくことも重要です。冷蔵庫の奥まで食品が詰まっていると、冷蔵の効率も下がりますし、食材を腐らせる原因にもなってしまいます。

食材のムダを減らすためにも冷蔵庫に何が入っているかをチェックしたうえで、献立を作り、買い物に行きましょう。冷蔵庫の中身をチェックする際のポイントは、なるべく冷蔵庫を開けずにわかるようにしておくこと。例えば、マグネットボードをかけておき、中にある食材をボードでわかるようにしておけば、冷蔵庫を開けずに足りないものが一目でわかります。

冷蔵庫を開ける時間を減らすことで、電気代も節約できるので一石二鳥ですね。

予算が余ったらプールをしておき、ご褒美献立も!

デザートを我慢したりと、節約を気にして我慢ばかりしていてはストレスも溜まり、節約疲れで反動が出ててしまったり、継続しにくくなります。楽しく節約をできるように、予算はカツカツで組まずに、少しだけ余裕をもって組み、余った予算をプールしておくのもおすすめです。プールしておいたお金で、ちょっと豪華な献立にしたり、家族で外食したり、ちょっとしたデザートを買うなど、ご褒美に使います。

その際、あらかじめ家族と何に使うか相談して決めておくなど、家族みんなで節約を楽しめるとさらに継続しやすいのではないでしょうか。

3.NG行為もチェック

以上、節約のポイントをご紹介しましたが、最後にNG行為もご紹介します。たまに、少しでも安いものを買うために、チラシをチェックしてお店をハシゴするという人がいますが、あまりおすすめしません。安い、といっても1回で数千円も変わりませんし、ハシゴする時間も体力もムダになります。使い勝手の良いスーパーを1つに決めて、ポイントなども効果的に使うと良いでしょう。

また、安いときのまとめ買いも善し悪しです。まとめて買って、使いきれずに腐らせてしまっては本末転倒ですから、まとめ買いは、冷凍できるもの、長期間保存ができて必ず消費できるものに限定して、適正な量を適正な価格で買いましょう。

最初からあれもこれも取り入れても、続けられなくては意味がありません。自分の普段の生活を見直して、自分のスタイルに合った無理なく継続できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。