ペルージャでのデビューシーズンで10ゴールを挙げた中田。 (C) Getty Images

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 日本人選手が欧州でプレーするのが当たり前ではなかった時代、デビュー戦での強烈なインパクトは多くの人々の心を躍らせた。 元日本代表MFの中田英寿がペルージャに移籍し、セリエAデビューを飾って25年が経った。1998年9月13日、ペルージャの本拠地レナト・クーリで行われたユベントス戦から、イタリアにおける中田の物語は始まったのだ。 フィリッポ・インザーギ、ジネディーヌ・ジダン、アレッサンドロ・デル・ピエロという強力攻撃陣を擁する強豪ユーベに対し、格下ペルージャの新戦力は無名に近い存在だった。だが、3点ビハインドで迎えた後半に2得点をマーク。試合は3−4で敗れたが、ヒデトシ・ナカタの名は一気に知れ渡った。 デビューシーズンのセリエAで10得点をあげた中田は、2年目のシーズン途中にローマは移籍。2001年にはクラブ通算3回目のスクデット(優勝)に貢献した。その後、イタリアではパルマ、ボローニャ、フィオレンティーナでプレーしている。【動画】ユベントスから鮮烈な2ゴール!中田英寿、衝撃のデビュー戦
 いまだセリエAの日本人選手通算得点記録を持つ中田について、『Tuttoggi』は「注目やスポットライトを避けたがったにもかかわらず、ナカタはペルージャに消すことのできない足跡を残した」と振り返っている。「穏やかな性格で、サッカー選手としては規格外の習慣を持つことから、さらに特別な存在となった。ヒデは特に試合前のロッカールームで読書を好んだ。当時の新聞は、彼がカメラを手にペルージャの道を歩き回り、街の名所を撮っていると報じている。こういったところが、彼という存在や、ペルージャの街やサポーターとの絆に唯一無二の魅力を加えたのだ」 日本サッカー界のレジェンドの欧州デビューから25年。だが、その衝撃が色あせることはない。構成●サッカーダイジェストWeb編集部