会見をおこなう新社長・東山紀之、元社長・藤島ジュリー景子、井ノ原快彦

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題は、これまで多くの所属タレントを起用してきた一般企業にも波紋が広がっている。

 12日に、花王は所属タレントが出演する広告や販促物の展開を中止することを発表。日本マクドナルドと第一三共ヘルスケアも、広告契約期間満了後、契約を更新しない方針を明らかにするなど、ジャニーズ所属タレントの起用見直しを表明する企業が後を絶たない。

 大手広告代理店のCMアナリストが、ジャニーズ事務所が被る“損失”をこう解説する。

「7日の社長交代会見を受けて、多くのクラインアントからジャニーズ事務所のタレントが出演していたCMの『降板』もしくは『打ち切り』の方向が表明されました。やはり『事務所名がジャニーズのまま』『前社長が株式を保有し取締役に留まる』などの方針が、ネガティヴにとらえられているようです。すでに、降板や打ち切りを決定した企業は10社以上にも上り、損失も相当な額になるでしょうね。

 一例を挙げると、日本航空は『当面はジャニーズ事務所の所属タレントの起用を見送る』という方針を発表しましたが、現在契約中のタレントは嵐の櫻井翔と松本潤で、ともに年間契約料金だけでも6千万円ほどですから、途中解約はかなりの痛手です。

 さらに、東京海上日動火災保険は同じく嵐の相葉雅紀と契約中ですが、こちらの年間契約料金は約5千万円。アサヒグループにいたっては、二宮和也や櫻井翔を筆頭に多くのジャニーズ事務所の所属タレントが、数々の商品のCMを網羅していました。その年間契約料金や出演料を加味すると、総額は4億円を超えるでしょう。

 現在のところ、ジャニーズ事務所の“被害総額”は、ざっと30億円超といわれてます。ただし、今後もさらに増えることは間違いないでしょう」

 これまでジャニーズ事務所と蜜月だった企業は、タレントが続々と降板する異常事態にどう対応するのか……。降板を決断したある大手クライアントの担当者は、今後の方針をこう語る。

「弊社は長きにわたって、ジャニーズ事務所のタレントをCMに起用してきました。おかげさまで、消費者に多くの訴求を生み、商品の購買に大きく寄与してくれたと思います。しかし誠に残念ながら、今回ジャニーズ事務所の性加害問題は、私どもとしても看過できる事案ではないとして、今後のおつき合いは打ち切るという判断をいたしました。

 ただ、顔をすげ替えてすぐに別のタレントさんで代わりを……というわけにもいかず、当面の対応を苦慮するばかりです。実際に今まで起用していたタレントさんのキャラクターイメージが強く残っているので、別のタレントさんに依頼しても、本人もやりにくいと予想されます。

 現在検討しているのは、おもに若い女性を購買のターゲットとした商品なのですが、そのCMキャラクターに、女性に好感度が高い女性タレントという案もありますが、あえてアニメーションを使って、キャラクター推しでイメージを刷新しようと模索しています。いずれにしても、大きな方針転換を余儀なくされる事態に社内は困惑しています」

 アニメが騒動の救世主となるかーー。