新潟県の山中にある神社の一角には大量の人面石が並んで置かれていて不気味な雰囲気がある」

まるで怪談の語り出しのような呟きと共に投稿された光景が、ツイッター(X)上で注目されている。

こちらは、埼玉県在住のユーザー・えぬびい(@enuenuenubi)さんが2023年7月19日に投稿した写真だ。

鬱蒼とした森の中、石の台の上にいくつもの石像が置かれている。形や大きさは様々だが、そのほとんどに人間の顔のような模様が。まさに「人面石」といったところだろう。

石像そのものの雰囲気や場所も相まってなかなかに不気味な光景。これらは一体だれが、何のために作ったのか?

 

Jタウンネット記者は26日、まずは投稿者のえぬびいさんに話を聞いた。

「なんの説明もなく置かれていた」

えぬびいさんが「人面石」を発見したのは新潟県の山中にある神社の近く。23年6月のことだった。

日本にある廃墟や奇妙な場所を求めて旅をしているえぬびいさんは、ネット上で情報を集めている時に偶然この場所を知ったという。

「神社の脇にひっそり、なんの説明もなく置かれていたので不思議な感じがすごかったです。それぞれしっかり見ると意外にも可愛らしい造形でそれもよかったです」(えぬびいさん)

これらの石像は何なのか。えぬびいさんがネットで調べてみたところ

「地元の人がいたずらで置き始めてそのうちどんどん数が増えていった」

と書かれていたそう。予想外に平和な理由だが......本当に? Jタウンネット記者は27日、話題の神社がある新潟県阿賀野市を取材した。

たった1人の市民が作った

阿賀野市生涯学習課の職員によると、「人面石」が置かれているのは立石山神社の付近。

そして、設置したのは神社の神主さんなどではなく、1人の一般市民だったという。

「1965年〜1975年ごろに、地元の歴史に興味がある一般市民の方が『何か面白いものを作って置いてみよう』と思い立ち、自ら作って置いていったものだと聞いています」(同職員)

製作にあたっては五百羅漢像(煩悩を払った500人の仏弟子の像)をイメージしていたらしい、とのことだ。

ちなみに「人面石」を製作・設置していた市民はすでに亡くなっており、引き継いだ人もいないため、これ以上増えることはないという。

始まりは単なる思い付きでも、もしかしたら数十年後、数百年後には神仏が宿っているかも――?