「キャンドルさん会見は余計だった」離婚相談4万件の専門家、広末さんW不倫を斬る
女優の広末涼子さんとレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作氏とのW不倫問題が尾を引いている。
発覚後に直筆のラブレターや交換日記が流出。さらに、広末さんの夫キャンドル・ジュンさんが単独記者会見をおこない、結婚生活や広末さんに対する思いのほか、離婚を切り出されていたことなどを赤裸々に語ったのだ。
広末さんは今回の問題を報じた週刊文春編集部に直電し、無期限謹慎処分を課した所属事務所に対する不信感を語ったとも報じられている。この騒動は一体いつまで続くのか。そしてどんな着地点を見つけるのか。
夫婦問題研究家で結婚・離婚カウンセラーの岡野あつこさんに、今回の騒動について話を聞いた。(ライター・小泉カツミ)
●岡野さんが分析する「広末涼子」
「広末さんは、モデルの男性との離婚後、キャンドルさんという癒し系の男性と出会って立ち直って、家庭を築いたはずでした。が、しばらくすると『本当の広末涼子』が出てきたわけですよ」
「本当の広末涼子」とはなんだろうか。
「ここまで生き残ってきた女優ですからね。あのくらい(男性に対して)ガツガツいかないとダメな人なんでしょう。女優ということもありますしね。彼女は、男性のエネルギーでモチベーションを上げるような資質の人だと思うんです。
女性にもいろんなタイプがあって、モチベーションを上げるために男の人のエキスを吸って、自分を高めていくという種類の女性がいるんですよ。広末さんはそのタイプです」
キャンドル・ジュンさんと再婚して13年。前夫との息子は19歳になり、キャンドルさんとの2人の子どもも12歳と8歳になった。
「子どもも小学生くらいになると落ち着いてきますよね。自分の親も(孫の)面倒を見てくれる。天下の広末涼子が40代になって、円熟した芝居をしたいと思い始めた。
もともと男性のエキスで上昇する人がパートナーとして選ぶのは、勢いのある男性じゃないといけない。たとえば、『ミシュラン一つ星シェフ』とか。そこにはまったのだと思います」
●昨今の熟年離婚は「賢く動く傾向」
岡野さんは、熟年を迎えてからこうした選択をする女性は少なくないと言う。
「女優の田中美佐子さんとお笑いコンビ・Take2の深沢邦之さんも最近離婚しましたが、あれは熟年離婚の典型ですね。田中さんももう一度女優業にしっかり入り込みたかったのではないでしょうか。
一般論として、60歳を過ぎてこのまま終わるのか、それとももう一度返り咲くのかという時に、旦那は邪魔なんですよ」
岡野さんの知るケースでも、「自分のために」と熟年離婚という選択をする女性が増えているそうだ。もっとも、「近頃は広末さんのようなケースはまれです」ともいう。
「不倫している場合でも、離婚を決意したら賢く動く人が多いです。探偵をつけられるかもしれないからしばらく会わないでおこうとか。見破れないケースも多くなってきている。本を読んでるし、ネットでも調べている。私の動画配信なんて隅々まで観てますよ、みなさん(笑)」
●単独会見は「マズかった」
岡野さんは、広末さんの騒動における最大の懸念点として、意外にもキャンドルさんの単独会見を挙げた。
「会見前、広末さんと鳥羽さんは『世間に申し訳ない』という謝罪文を出しました。おそらく事務所は謝罪を止めようとしていたと思いますが、強行したのでしょうね。
広末さんとしては、上手に離婚して、鳥羽さんと再婚しようとしていたのかもしれません。でも『文春砲』でW不倫がバレた。彼女としてはしばらく大人しくしていようか、という計画だったはず。
ところが、キャンドルさんがあの会見を開いてしまった。それも広末さんに相談もなく。会見が広末さんにとってプラスならともかく、広末さんの過去の不貞疑惑など余計なことまで言ってしまった。その結果、広末さんと鳥羽さんにとっての共通の敵は事務所、そしてキャンドルさんという構図になってしまったと思います」
岡野さんは「一般的には浮気をした方が逆恨みをする傾向にある」と話す。普段受ける相談でもよくあることだという。
「世間の目や子どものこともあるので、不倫相手から離れていったんは家庭に戻ろうとしますが、そこで不信感が芽生えることもある。夫が探偵を雇ってたり、誰かと結託して自分たちを邪魔していたとわかるとか……探偵をつけるのは事実を知るためには当たり前のことなんだけどね。
『探偵をつけるほど私を信用してないのね』となって、自分たちの恋路を邪魔したと思い込んで、余計に怒りに火がつく。不倫した当事者が悲劇のヒーロー・ヒロインになって、余計くっついちゃうわけなんです。共通の敵ができるとね」
広末さんのケースでも、彼女が不倫発覚後「週刊文春」編集部に直電したように、「事務所には止められているけど、私はあくまでも本当のことを言います」という形になった。
「これは事務所との決裂なんですよ。事務所の悪口までは言ってないけど、信頼できないと言っていますからね」
広末さんの所属する事務所「フラーム」には、他にも著名な女優が大勢いる。
「広末さんで大きくなった事務所だから『無期限謹慎』としたうえで、ほとぼりが冷めたらまた広末さんを押し上げようという温情が絶対あったはずなんです。でも、広末さんの発言で『せめて他の女優たちを守っていこう』となったでしょうね」
●「キャンドルさんは離婚を選択しないのではないか」
広末さんの騒動はどんな着地点に行き着くのだろうか。
「浮気したのは広末さんだから、キャンドルさんが離婚したいと言わない限りは、広末さんから『離婚したい』とは最低でも5年くらい言えないものなんです。広末さんが有責配偶者ですから」
「有責配偶者」とは、離婚原因を作ったことに責任のある配偶者のことだ。
「でも、キャンドルさんが『浮気をするような妻だから、僕は離婚を望みます』と言ったらすぐに離婚はできますよ。でも、広末さんからは言い出せない。私が遭遇したケースだと、ほとんどの場合、最低でも5年は離婚できないですね」
岡野さんは、キャンドルさんが離婚を選択しないのではないかとみている。一方で、「キャンドルさんが単独会見さえ開かなければ、夫婦関係を修復できたかもしれない」とも指摘する。
「彼が黙っていれば、広末さんは精神的に参っている時だから、やっぱりキャンドルさんに救いを求めるということはあったと思うんですね。そのチャンスをキャンドルさんはみすみす逃してしまった。
世間では、『キャンドルさんは誠実なんだ、いい人なんだ』『ちゃんと世の中のためにいいことをしてる人なんだ』と思ったかもしれない。でも、広末さんから見ると『こんな夫は嫌だ』と思ったに違いないのではないでしょうか」
【プロフィール】岡野 あつこ (おかの あつこ ):公認心理師。33年前に離婚相談室を設立、相談件数は4万件以上を手がけた、夫婦カウンセリングのパイオニア。離婚・夫婦問題カウンセラー養成講座で後進育成。マル秘テクニックを交えた的確なアドバイスが好評。テレビ・ラジオ・講演など幅広く活躍中。NPO日本家族問題相談連盟理事長。近刊に「無自覚な夫のための妻の地雷ワード事典」(日本文芸社)がある。岡野あつこチャンネル:https://youtube.com/@okano_atsuko