韓国代表クリンスマン監督(写真:AP/アフロ)

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サッカー韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督(58)が2023年6月22日に韓国・ソウルで会見を開き、戦術、起用法など今後の方針を説明した。クリンスマン監督は今年2月に監督に就任して以来、ここまで4試合指揮を執り2敗2分け。就任から4戦白星なしは、韓国代表の外国人監督としてワースト記録だという。

「印象的ではないパフォーマンスに終始」

初陣となった3月の国際親善試合コロンビア戦を2−2で引き分け、その後のウルグアイ戦は1−2で敗戦。6月に行われた国際親善試合ペルー戦を0−1で落とすと、続くエルサルバドル戦は1−1で引き分けた。

複数の地元メディアによると、4試合連続未勝利の結果に対してファンから怒りの声が上がっていることから韓国サッカー協会(KFA)が急遽記者会見を設定し、クリンスマン監督が現状を報告した。国際親善試合直後のこのような緊急会見は異例だという。

6月に試合をしたペルー、エルサルバドルは、同時期に日本とも対戦しており、日本は6月16日にエルサルバドルと対戦して6−0と大勝。20日にペルーと対戦して4−1で快勝した。ライバル関係にある日本が2試合で10点を獲得したのに対して、韓国はわずか1得点だったこともファンの怒りを買ったようだ。

スポーツメディア「スポーツソウル」(WEB版)は、まだ勝利がないことは残念であるが、わずか6カ月前にカタールワールドカップ(W杯)でベスト16となった韓国代表が、印象的ではないパフォーマンスに終始している点が問題に挙げられていると現状分析した。

「9月にはより良い結果をもたらすだろう」

同メディアは別の記事でクリンスマン監督の選手起用に疑問を投げかけた。クリンスマン監督は、人種差別問題で物議を醸した国内リーグに所属する選手を代表に招集して試合に出場させたという。記事では「明らかな過ちを犯した選手が国を代表してプレーする資格はあるか」とし、「明らかに疑問符が付く」と批判的に伝えた。

韓国日刊スポーツ(WEB版)は、会見はクリンスマン監督の考えを伝えるために設けられ、クリンスマン監督は自分に向けられた「疑問」について回答したが、サッカーの戦術に関して明確な答えを出さなかったと伝えた。関係者からは、前代表監督のパウロ・ベント氏と異なり確かな戦術がないと指摘されていたという。

スポーツソウルによると、クリンスマン監督は会見で「可能な限り早く結果をもたらすために努力する」と前向きな姿勢を見せ、「すでにアジアカップで対戦する相手の分析も行っている。9月にはより良い結果をもたらすだろう。アジアカップに向けた旅程をしっかり準備している」と意気込んだという。