iPhoneの電卓アプリ「計算機」のモチーフはブラウンの電卓だって知ってた?
1921年、ラジオ部品の製造会社としてドイツ・クロンベルクにて誕生したBRAUN(ブラウン)。機能性はもちろん、デザインにもこだわり、数々の名品を世に送り続けてきました。中でもデザインチームのチーフとして30年以上、製品開発に携わってきた工業デザイナー、ディーター・ラムスの手掛けた製品は、いくつもMoMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵されています。
そんなラムスが手掛けた名品のひとつである電卓が復刻されました。「BNE001BK」(6600円)は、彼のデザイン哲学である“Less but better”(より良いデザインは、より少ないデザイン)を見事に表現したプロダクトのひとつです。
電卓として最低限の機能をシンプルに詰め込んだ「BNE001BK」。1987年に誕生したこの電卓は、40年近く経った今でも色褪せない魅力があり、アップル社のデザイナーであるジョナサン・アイブはメディアのインタビューで、iPhoneの電卓アプリ「計算機」のデザインはこの電卓がモチーフになっていると語っています。
適度に膨らみをもたせた押しやすい丸いボタン、パッと見ただけで機能の違いが分かる色分け、持ち運びやすく、かつ最低限を覆うだけのケースなど、シンプルに“計算する”機能だけを使いやすく落とし込んだデザインは、まさに機能美。
サイズは138×77×16mm、重さは113g。最大8桁表示で、自動電源オフ機能が付いています。電源は1.5Vのアルカリボタン電池と、仕様は40年前を感じさせるシンプルなもの。
電卓といえば、スタンドアローンな中に考えうるだけの機能を詰め込んだ関数電卓の工業製品としての美しさもあります。しかし、四則演算+αぐらいしか使わないという人であれば、この「BNE001BK」で行える計算だけで十分なはず。さらに、ボタンを押すのが苦にならない、そして持ち運びが苦にならない実用的なサイズ感と、シンプルな中に感じるデザイン性の高さ。さまざまなバックグラウンドを持つ「BNE001BK」は、所有する悦びも持たせてくれるかもしれません。
<文/円道秀和(&GP)>
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