スピルバーグ監督がE.T.の改変について「現代の価値に合わせた過去作の改変は過ちである」と述べる
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近年、現代的な価値観に合わせるために過去の小説や映画の内容を改変する事例が増加しています。そんな中、スティーヴン・スピルバーグ氏が「E.T.」の20周年記念版で「銃をトランシーバーに変更する」という対応が行われたことを例に挙げて「過去作を改変すべきではない」という見解を示しました。
Steven Spielberg: ‘No film should be revised’ based on modern sensitivity | Steven Spielberg | The Guardian
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小説や漫画、映画には「発表当時と価値観が変化した現代では不適切とされる表現」が含まれることがよくあり、価値観の変化によって差別的とみなされるようになった表現が削除される事例が多発しています。例えば、2023年には「チャーリーとチョコレート工場」の原作者ロアルド・ダール氏が記した作品の新版リリースに際して「登場人物の体重」「メンタルヘルス」「人種」「性別」に関する文章表現を大きく変更することが発表されました。この変更にはイギリスのリシ・スナク首相やカミラ王妃からも批判的な意見が寄せられており、作家の表現に対する制限を巡って大きな議論を呼びました。
古典小説の表現が傷つきやすい読者と「センシティブ・リーダー」という専門家にゆがめられているという指摘 - GIGAZINE
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スピルバーグ監督の代表作品である「E.T.」でも、「20周年記念版で銃がトランシーバーに置き換えられる」という改変が行われていました。この改変について、ニューヨークで開催された「TIME100 Summit」に登壇したスピルバーグ監督は「改変は間違いでした」と発言。さらに「E.T.は、『E.T.が撮影された時代』の作品です。私たちの現代的価値観に沿って作品を改変するべきではありません」「私たちの映画は、『作品を制作したときにどこにいたのか』『物語を世に送り出したとき、世界はどうなっていたのか』『世界は作品から何を受け取ったのか』を示す道しるべのようなものです。私は(改変版のE.T.を)世に送り出したことを後悔しています」と述べ、過去作品の改変は避けるべきという見解を示しました。
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なお、スピルバーグ監督の発言は、以下のムービーで確認できます。
A Hollywood Masterclass with Steven Spielberg | 2023 TIME100 Summit - YouTube