この記事をまとめると

■右折時は「あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄る」のがルール

■違反者には違反点数1点、反則金4000円(普通車)が課せられる

■「できる限り」という表現が抽象的だが、どれくらい寄せれば問題ないのだろうか?

目安は道路中央から50cm以内だと考えられる

 今年も5月11日(木)から全国交通安全運動がはじまる(20日まで)。取り締まりを強化するのはあまり歓迎できないが、「正しい交通マナーの実践を習慣付ける」という目的には大いに賛同したいところ。

 そうした、交通マナーに関して、昨今気になっていることのひとつが右折時のマナー。

 交差点で右折するとき、ウインカーを出すのが遅い。右折待ちの際、右に寄らない。交差点中央より手前で待機……。これらの影響で、後続車の進路が塞がれ、プチ渋滞が起きることがしばしばある。

 そもそも、右折時は「あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄る」というのがルールだったはず。

 あの後続車をブロックする右折待ちは、道交法違反にはならないのだろうか。

 まずその道路交通法を確認してみよう。

 道路交通法第三十四条(左折又は右折)

「2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない」

 このように明文化されているので、これを守らないと、交差点右左折方法違反の対象になる。

 交差点右左折方法違反は、交差点において定められた規則に従わずに右左折した人が問われる違反で、違反者には違反点数1点、反則金4000円(普通車)が課せられる。

 つまり、右折前に道路の中央に寄らないのは、立派な違反行為になるわけだが、その基準が「できる限り」と抽象的ではっきりしない問題が……。

 ちなみに教習所では、右折しようとする地点や交差点の30m手前で道路の中央に寄るよう指導していて、検定時には道路中央から50cm以内に右寄せしていないと、減点になるとのこと。

 このことから、「できる限り」の目安は、道路中央から50cm以内だと考えていいだろう。

 もっとも、教習所の検定はともかく、街中での右折時に、警察官から右寄せが足りないことを指摘され、交差点右左折方法違反のキップを切られた例は、寡聞にして知らない。

 しかし、違反が問われなくても、右折時の右寄せはルールであり、マナーでもある。ちょっとした気遣いがあれば、後続車の貴重な時間を奪うことが少なくなるので、もう少し周囲に気を配り、後続車の動線を塞がないよう努力して、お互い気持ちよく走れるよう自分の走りを見直してみよう。