この記事をまとめると

アルファードはモデル末期の今でも超絶人気を誇るトヨタの高級ミニバン

■新型モデルの登場が6月とも言われている

■「やっちゃったかも?」という噂もあるが……

現行モデルほどは盛り上がらないかも!?

 情報によると、販売現場には次期アルファードのデビューは6月になるのではないかと連絡が入っているようだ。次期型については噂レベルではあるものの、「やっちゃったかも?」という話も聞いている。

 どういうことかといえば、現行モデルは東南アジアに国々などでは新車として日本から正規輸出され販売されているのだが、一部の国では日本から中古車として日本仕様も輸出されて販売されているぐらい人気が高い。そんな東南アジアなど新興国での人気を受けて、東南アジアや中国なども意識し、それらのテイストを盛り込んで次期型が開発されたとしたら、「やっちゃった」かも。つまり現行モデルほどは盛り上がらないかもしれないというのである。

 これは東南アジアでの人気をどう見るかで変わってくる。東南アジアでは日本の文化などを好意的に受け止める人が多い。そこで現行アルファードを「日本的なラグジュアリーミニバン」として受け入れているか、それとも単純に自分たちの価値観に合っていると見ているかの違いで大きく変わってくる。どうも次期型は現行型の新興国での人気を受け、東南アジアや中国の人たちの好むテイストも盛り込まれてしまっているようだとの情報もある。

 そもそもアルファードシリーズはほぼ国内専売車のような、「純日本的なゴージャスミニバン」というキャラクターが東南アジアなどでもウケていると筆者は見ているので、微妙な味付けの違いで日本でも海外でも、つまり「二兎を追うものは……」ともなりかねない、思わぬ地雷を踏んでしまうことも起こりかねないのである。

 日本では現行型では5年払いの残価設定ローンでも、一時は5年後の残価率が60%近くなっていただけでなく、70万円引きも当たり前というバーゲンセールを展開していたので、本来なら格下のノア&ヴォクシークラス並みの予算で買えるような事態となり、アルファードを購入希望する人が続出した。

 また「アルファードころがし」も多発した。海外へ良質な中古車として輸出するため、半年おきに新車のアルファードに乗り換える行動が「アルファードころがし」ともよばれ、乗り換えるたびに利益が出た時期もあった。そのため次期型ではランドクルーザー300みたいに、「納車直後に転売しません」との確認書を交わすのではないかとの情報もある。

 もちろん気に入って購入しているし、現行型から次期型への乗り換えというものも続出するだろうから、目立って販売台数が落ち込むことはないが、東南アジア、とくに人気の高いタイあたりでは「アルファードバブルは崩壊しつつある」との話もあるので、海外に限っていえば現行モデルほど盛り上がらないかもしれない。

日本でもアルファードバブルは崩壊の兆し!?

 中国では中国メーカーがアルファードをオマージュした大型ミニバンを多数ラインアップしているし、なかにはBEV(バッテリー電気自動車)やFCEV(燃料電池車)など、アルファードではチョイスできない動力のモデルもあり、競合他車が多くなっている。

 また韓国ヒョンデがアルファードとは真逆をいく、スターリアというミニバンを世界各国で市場投入しており、こちらの人気も上々となっており、単に次期型の出来不出来だけでなく、市場環境も現行型に比べれば厳しいものとなっているともいえる。

 日本市場でも中古車相場は一時より落ち着きを見せていると言えば聞こえはいいが、相場の下落傾向が続いている。日本国内とて「アルファードバブル」は崩壊の兆しを見せているのである。また、次期型がデビューすると現行型からの乗り換えが多くなると見込めるので、現行型が中古車市場に多く出回ることになるので、すでに下落傾向にある中古車相場がさらに下落する可能性も高い。

 現場のセールスマンはデビュー前後の需給状況、つまり納期遅延は新型プリウスより混乱を見せるのではないかとも話している。「新型プリウスは2リッターのZで納車まで1年半ほどかかります。次期型アルファードではおそらく正式発売直後(遅くともとの話もあり)に新規受注停止になるかもしれないですね」と話してくれた。

 現行モデルは自販連(日本自動車販売協会連合会)による、車名(通称名)別販売ランキングを見ると、2023年1月単月でも5000台強を販売し10位に入っているが、これは売れ続けているわけではない。すでに現行型は2022年秋にオーダーストップしており、バックオーダーの消化を日々行っているのである。現状での生産状況はそれほど混乱していないので、いまのままでいけば予定どおりデビューすることになりそうだ。6月のいつごろデビューとなるかにもよるが、ゴールデンウイークもあるので、ゴールデンウイーク明けから予約受注開始という流れが濃厚といえるかもしれない。次期型をできるだけ混乱なく手に入れようとするならば、新年度に入ったらディーラーとコンタクトするなど行動開始したほうがいいだろう。