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 年末年始に旅行に出かける人は少なくないだろう。海外では旅行中に予期せぬ形で、最愛の人を失ってしまった人がいる。

 アメリカ・ユタ州の国立公園内で、強風で閉じたゲートバーが走行中の車を直撃、助手席に乗っていた女性が即死した事故で、女性の夫が損賠賠償を求め、国立公園を提訴した。海外ニュースサイト『Daily Mail』『CBS News』などが12月6日までに報じた。

 ​>>22歳女性、車につなげて道路でソリ遊び 後方を走るおじの車に轢かれ死亡 運転手は飲酒運転、無免許か<<​​​

 報道によると2020年6月、コロラド州に住む当時26歳の男性は、交際相手で当時25歳の女性とともに、ユタ州の有名観光地を車で訪れたという。カップルは3か月前に結婚したばかりの新婚夫婦だ。男性は、お気に入りの場所を新妻に見せようと、同州のアーチーズ国立公園を訪れた。

 2人は公園内を観光していたが、アイスクリームを買うため、公園外にあるお店に車で向かった。走行中、出口ゲート付近で突然、金属の塊が車に直撃したという。塊はゲートバーだった。ゲートは自動でなく、朝夕に管理人が手で開閉する横開きタイプのものだ。

 事故当日の朝、管理人はゲートを開けた。しかし開けたゲートバーを固定しなかったとみられバーはブラブラの状態だった。この日は風が強く、風に押された右側のバーが道路をふさいだとみられる。そこにちょうどカップルの車が通りかかった。ゲートバーは車の右サイドを切り裂き、助手席に乗っていた女性の首を切断したという。女性は即死し、男性は返り血を浴びるも無事だった。

 女性はウガンダ国籍で、アメリカに留学中だった。女性の遺体は母国に戻り、葬儀が行われたという。事件直後に男性は、約190億円の損害賠償を求め、同州の公園管理局と国を提訴した。2022年12月5日に始まった裁判で、男性の代理人弁護士は「女性の死は、出入り口ゲートの管理を適切に行っていなかった国立公園側の過失」などと主張。国側は、責任を全面的に認めているものの、賠償金額については「適切に算出されるべき」などと、争う姿勢を示している。

 このニュースが世界に広がるとネット上では「これは防ぎようがない。女性は不運だった」「リアルギロチン。恐ろしい」「ホラー映画のワンシーン」「こんな体験したら一生トラウマ」「一瞬の出来事で、女性は苦しまずに逝ったと思う。それだけが救い」「バカげた訴訟金額。やりすぎ。女性が生きていても190億も稼ぎません」「半開きゲートに気づかなかった男性に責任はないのか」「お金をもらっても、女性は帰ってこない。家族としてはやるせない気持ち」といった声が上がった。

 本件は、ゲートの管理が不十分だった国側に責任の一端はあるが、偶然が重なって起こった事故だろう。命を失った女性は不運だったと言うよりほかない。

記事内の引用について
Family of woman, 25, decapitated by metal gate at Utah national park sue for $140M - and accuse rangers of negligence at trial after gate's metal pipe 'turned into spear' and killed her(Daily Mail)より
https://www.dailymail.co.uk/news/article-11507893/Family-woman-decapitated-metal-gate-Utah-national-park-sue-140million.html
Trial begins two years after newlywed was beheaded by metal gate at Arches National Park in Utah(CBS News)より
https://www.cbsnews.com/news/esther-nakajjigo-death-trial-activist-beheaded-by-metal-gate-arches-national-park-utah/