佐藤健「First Love 初恋」で魅力が炸裂…ラブストーリーで光る演技
Netflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」(Netflixにて独占配信中)で満島ひかりとともに主演を務めた佐藤健。切なさを感じさせる表情で本領発揮の演技を見せている。
本作は、1999年に発表され大ヒットした宇多田ヒカルの名曲「First Love」、その19年後に発表された「初恋」という2つの楽曲にインスパイアされたラブストーリー。1990年代後半と、2000年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない初恋の記憶をたどる一組の野口也英(満島)と並木晴道(佐藤)の物語が展開する。
24日から配信がスタートすると、27日までに累計視聴時間722万時間を記録した「First Love 初恋」。6の国と地域(日本、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾)でTOP10入りを果たすなど、高い注目を浴びている。
高校時代の恋模様が回想形式で描かれるなかで、也英と晴道が現在に至るまでに何があったのかが明らかになる本作。佐藤が演じているのは、航空自衛隊のパイロットを目指し夢を叶えるも、とあるきっかけから退官し、現在はセキュリティ会社で働く晴道。人当たりもよく、若者思いな一面もあるが、ときおり見せる切ない表情が印象的だ。二つの顔を絶妙に切り替える佐藤の繊細な演技が光る。
2020年に放送された「恋はつづくよどこまでも」での天堂浬役でも大きな話題を呼んだ佐藤。毒舌と超ドSなドクターである天堂は、一途な思いをストレートに伝え続ける七瀬(上白石萌音)に徐々に心を許していく。王道のようなラブストーリーながら、佐藤の緩急をきかせた演技が視聴者を熱狂させたことは記憶に新しい。また、土屋太鳳と共演した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)では、結婚を目前に病で昏睡状態に陥り、回復するも相手の記憶をなくした恋人をひたすら待ち続ける男性を演じ、感動を呼んだ。
ラブストーリーのみならず、昨年公開の『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』で完結させた『るろうに剣心』シリーズでは激しいアクション演技を披露し、はたまた『ひとよ』や『護られなかった者たちへ』といった骨太な作品でも好演を見せる佐藤。そのふり幅の広さが「First Love 初恋」にも随所に発揮され、深みのある佇まいや感情に奥行きが感じられる。
今後は、井上真央と松山ケンイチと共演する金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」(2023年1月クール、TBS系)も控えている。佐藤が演じるのは、井上ふんする主人公にプロポーズしようと心に決めたとき、事件に巻き込まれ、死んだ時の記憶が無いまま魂となって現世をさまようことになる鳥野直木。思いを伝えられないもどかしさや切なさを表現する役どころで、ここでも佐藤の魅力が詰まった演技を見ることができそう。早くも期待が高まる。(編集部・大内啓輔)