早くもオスカー有力!スピルバーグ新作『ザ・フェイブルマンズ』が観客賞を受賞
第47回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を、スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的映画『ザ・フェイブルマンズ(原題) / The Fabelmans』が受賞した。トロントで観客賞に輝いた作品はこれから始まる映画賞レースをにぎわすほか、アカデミー賞作品賞を制することも多く、オスカー戦線で『ザ・フェイブルマンズ(原題)』が早くも一歩リードした形となる。
巨匠スピルバーグを形作った彼の幼少期から青年期を、映画制作と家族への愛情たっぷりに描き出した同作。スピルバーグ監督は初のトロント映画祭参加にして、見事最高の栄誉を手にした。監督の両親役を務めたのは、ポール・ダノとミシェル・ウィリアムズだ。
次点は、サラ・ポーリー監督の『ウィメン・トーキング(原題) / Women Talking』。ミリアム・トウズの同名小説を基に、あるコロニーで性的虐待を受けてきた女性たちが一堂に会し、「このまま何もしない」か、「とどまって男性たちと戦う」か、「コロニーから去る」かの三つの選択肢のどれを取るかを徹底的に話し合う姿を映し出す。ポーリー監督の脚本はパワフルで観客を引き込む力があり、ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショーらアンサンブルキャストの名演も光る。次々点は、ダニエル・クレイグ主演作『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』だった。
ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞には、ダニエル・ラドクリフが“替え歌王”アル・ヤンコヴィックにふんした伝記映画『ウィアード:ジ・アル・ヤンコヴィック・ストーリー(原題) / Weird: The Al Yankovic Story』が輝いた。(編集部・市川遥)