メッツのフランシスコ・リンドーア【写真:ロイター】

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10年総額455億円契約を結んで2年目、メッツのリンドーアに手のひら返しの称賛

 メッツのフランシスコ・リンドーア内野手が10年総額3億4100万ドル(約455億円)という巨額の契約を結んで2年目のシーズンとなる。今季は111試合に出場し打率.270、20本塁打と打撃好調で、チーム記録をいくつも塗り替えようとしている。昨季の不振には手厳しかったニューヨークのメディアも「結局のところ、この契約に値する選手となるかもしれない」と“手のひら返し”の賛辞を贈っている。

 ニューヨーク・ポスト紙が伝えたもの。ナ・リーグ東地区の首位を独走するメッツは、直近17試合で15勝を挙げ絶好調。リンドーアも10日(日本時間11日)のレッズ戦で、2安打3得点と活躍した。そしてこの試合で、リンドーアはホセ・レイエスが2006年に記録したメッツ遊撃手のシーズン最多記録、81打点に並んだ。さらにデビッド・ライトが持っていた球団の連続試合得点記録「13」にも並んだ。

 記事によると試合後にリンドーアは「個人の記録を気にしておらず、ライトの記録に並んだことも知らなかった」と口にしたという。さらにレイエスの記録に並んだことを喜びながらも「僕はワールドシリーズに勝つためにここにいる。そのことしか考えていない」と口にした。

 リンドーアは昨年1月にインディアンズ(当時)からトレード移籍し、開幕前に10年契約を結んだ。しかし昨季は20本塁打したものの打率は.230と低調。キャリア最低のOPSに終わりポスト紙は「昨季終了後のメッツファンは『残りの10年いらない』と感じただろう」と伝えている。

復活へ導いたのは優れたメンタリティ…「僕は何より勝ちたい」

 ただリンドーアは“不良債権扱い”寸前から踏ん張った。その理由としてこの記事は、優れたメンタリティを挙げている。「野球をするためにニューヨークに来たんだ。フィールドに出て、出来る限り最高のレベルでプレーする。それが僕の仕事だ」「バックも頑張っている。チームメートも頑張っている。僕も彼らと一緒に頑張りたい」というリンドーアの言葉を紹介し「個人の成績より、チャンピオンシップの為にプレーすることが、最終的には、彼を契約に見合う選手にさせるだろう」とチーム第一の姿勢を称える。

 ポスト紙のマイク・バッカロ記者は、メッツ歴代トップ5の選手に1位からマイク・ピアザ、カルロス・ベルトラン、キース・ヘルナンデス、ダリル・ストロベリー、デビッド・ライトを挙げているという。

 記事は「もし、リンドーアが彼らに加わりたいのであれば、まだ多くの時間が残されている。そして、彼の才能と素晴らしいメンタリティが助けとなるだろう」とした。さらに「メッツのベストプレーヤーに加わりたいと思うか」という問いへの、リンドーアの言葉を紹介している。

「もちろん、そうなりたいけど……。そんなことは心配してないよ。そこにいつか入れればいいけど、僕は何より勝ちたい。この球団とこの街、(オーナーである)コーエンファミリーにチャンピオンシップをもたらしたいんだ」

 1986年以来となる世界一を、チームにもたらすことはできるだろうか。(Full-Count編集部)