海外では「エアタンカー」という名で消防飛行機が活躍中。

スペイン空軍やスペイン政府協力でテスト実施

 エアバスは2022年7月26日、軍用輸送機「A400M」向け消火キットの試験に成功したと発表しました。

 試験は昼間に最低動作高度150フィート(約45.7m)、飛行速度125ノット(約231.5km/h)で貨物室内に搭載したタンクから、最大20tの水を10秒未満で投下するという条件のもと実施されたそう。なお、試作モデルの開発と試験には、スペイン空軍、ヨーロッパ消防局、スペインの環境・人口統計問題省(MITECO)が協力して進めているといいます。


消火キットを試験するスペイン空軍のA400M輸送機(画像:エアバス)。

 なお、この消防キットは、機体改修が不要なロールオン/ロールオフ(RORO)キットであるため、A400M輸送機同士で融通し合うことが可能です。水は貨物室内に設置されたタンクに蓄えられ、カーゴドア付近に設けられた2つの放水孔から散水されます。

 エアバスによると、この消火キットを導入すれば、突如起きた山火事などへも迅速に対応でき、なおかつ専用の消防飛行機(空中消火機)を用意する必要がないため、キットを外せばその機体を他の役割へ振り分けることも可能になるとしています。