【詳報】岡田代表「自公対国民の良識の戦い」、SEALDs奥田愛基氏「僕らは馬鹿じゃないです」~民進党が結党大会 - BLOGOS編集部

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※この記事は2016年03月27日にBLOGOSで公開されたものです

27日、民進党の結党大会が都内で開催された。民主・維新が合流、「自由」「共生」「未来への責任」の理念を掲げ、「真の意味での国民政党となることを誓い」、衆・参合わせて156人の野党が発足した。

松野氏「この場をお借りしてお詫びを申し上げたい」

開会に続き、解党した維新の党の松野頼久元代表が、民進党が"結党に至った経緯"と綱領・規約について説明。

最後に「私の方から一言、自分の言葉で」と前置きした松野氏は「今日の結党に至るまでの間、我々維新の党、わずか26人、支持率が1、2%の弱小政党のくせに、党名を変えろとか、大変失礼なことを申し上げたことをまずこの場をお借りしてお詫びを申し上げたいと思います。全て政権を狙うため、という思いで申し上げたことと、お許しを頂きたいと思います」と陳謝。

さらに「私も含め、2012年に民主党を離党した議員もおります。多くの皆さんに不快な思いをさせたこと、これもお詫びをしなければなりません。」と、自身が新党の役員就任を辞退した理由を述べた。

そして、新代表に岡田氏を提案。「岡田克也さんという政治家が居たからこそ、今日にこぎ着けることができた。今までそれほど親しく付き合ったことはありませんけれども(笑)、今回近くで付きあわせて頂いて、本当に尊敬できる政治家であることを確信いたしました」と、岡田氏を支えていく決意を表明した。

岡田氏「"自公"対"国民の良識"の戦い」

続いて、初代代表の就任が決定した岡田克也氏が挨拶。冒頭、「民進党」を「シンシン党…」と言い間違い。苦笑いを見せた岡田氏に、会場から拍手や「頑張れ!」といった声援が次々と上がる一幕もあった。

気を取り直した岡田氏は、「日本に政権交代可能な政党を作るラストチャンスだ」「ここで政治の流れを変える私が代表として責任を負う、必ず結果を出す。安倍政権が衆参同日選挙をやるというなら、受けて立とうではありませんか!」と呼びかけ、「"自公"対"国民の良識"の戦いに勝利しましょう!」と宣言した。

茂木氏「乙武君のように政界への進出を考えているわけではありません」

次に来賓として、連合の神津里季生会長、脳科学者の茂木健一郎氏、SEALDs創設メンバーの奥田愛基氏、東京大学の大澤真理教授が挨拶。

神津氏は「安倍政権への対抗軸を明確に打ち出し、働く者、生活者の不安を解消し、安心と希望を抱かせるような理念と政策を示すことが今こそ求められていると思います。それが目前に迫った衆議院の補選、そしてそれに続く参議院選挙の勝利に続くものと確信をしております。私たち連合も12人の参議院比例候補をはじめ、推薦候補全員の当選のために全力を尽くしてまいります。ともに頑張りましょう」と期待を込めた。

また、大澤氏は「アベノミクスはアベコベノミクスでしか無かった」「安倍政権は"日本を取り戻す"と言ったが、結果として起こったことは"日本を売り渡した"ということだ」と安倍政権を厳しく批判した。

茂木氏の挨拶は以下のとおり。

■茂木健一郎氏の挨拶全文
奥田愛基君の前座を務めさせていただきます(会場から笑い)。本当に今日はおめでとうがございます。私は民進党の党員ではありません。また、私の友人の乙武君のように政界への進出を考えているわけでもありません(会場から笑い)。今日、私がここに来た理由は、たった1つなんですね。民進党が政権交代が可能な党になって欲しいという、その願いからなんです。

アメリカ大統領選においては、ほぼ8年ごとに民主党と共和党の候補が代表に選ばれてきました。イギリスでも、保守党と労働党が何度も政権交代を繰り返してきましたた。およそ成熟した民主主義において、政権交代が期待できないようなことというのはあり得ないですよ、皆さん。

日本が戦後、自由民主党さんが長きにわたって政権を担当されました。それは素晴らしい政策も色々されたと思います。しかしですね皆さん、日本の民主主義は、政権交代がなくて続くということにあまりにも慣れすぎていました。それを変えたのが、2009年の民主党による政権交代だったわけです。

今、世界はイノベーションが起こり、次から次へと新しい動きが出てくる中で、その政権交代ができない社会風土というものは、我々を未来に連れていってくれないんです。いつでも政権交代の可能性があるということがなければ、日本は未来に進めません。そのために、皆さんの責任は重大だと考えます。

さて、民主党政権は2009年にあれだけ大きな国民の期待を受けながら、結果として、あのような形で終わってしまいました。

皆さん、最近、Googleの人工知能で「アルファ碁(AlphaGo)」というのが出てきたんですけれども。人工知能がなぜあれだけ強くなったかご存じですか?反省することを覚えたからです(会場から笑い)。

皆さん、「アルファ碁」は、自ら打った対局を評価し、反省し、それを改善することで、今や人間の世界チャンピオンを破るところまで強くなりました。安倍さんの自民党は、正直言ってかなり強いです。ラスボスとしてはかなり倒しがいがあります。その安倍さんの自民党に勝つまでに皆さんが強くなるためには、ぜひとも2009年の政権交代の後の、苦い失敗を反省をしていただきたい。反省というのは、皆さんの目の後ろにある眼窩底というところでやるんです(会場から笑い)。

反省とは何でしょうか。まず皆さんが、過去に行った政策に対して、プランBはなんだったのか。どのような他の選択が可能だったのか、ということを検討することです。さらにもう一つ、皆さんが過去に行った選択の前提となっていた価値観・世界観はなんだったのか、なぜそれができなかったのか、ということを振り返って下さい。

ぜひ皆さん、美しい反省をしていただいて、反省することに遅すぎる、ということはありません。この素晴らしい、新しい政党が出来た、これを機会にですね、ぜひ真摯に2009年の失敗を反省していただいて、そしてぜひ政権交代可能な、それが当たり前な日本にするために頑張っていただきたいと思います。

最後に私が申し上げたいことは、皆さんが掲げてられている「共生」というメッセージ、これは政治的に正しい、耳障りのいい言葉だけではないんですよ。まさにこの個性が異なる人々が集まって、お互いの違いを認め合いながら協力するということ、共生の精神がなければ、人工知能に象徴されるようなイノベーションもないし、日本の経済成長もないんです。ですから皆さんの掲げる「共生」ということが、実は最大の経済成長の政策であるということを訴えましててですね、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

奥田氏「僕らはアホじゃないです。僕らは馬鹿じゃないです。」

登壇した奥田愛基氏の挨拶全文は以下のとおり。

皆さんこんにちは。SEALDsのメンバーの奥田愛基と申します。なんで僕がこんなところに立っているのか…こんなところで…ものすごくまぶしいですね(笑)。挨拶するような柄じゃないんですけれど、一口に、頑張ってほしいということです。

なんですけど、なんて言うんですかね、国民の声が無くて議員の方が頑張っている時ってのは、大概良いことが起こらないんですね。逆に国民の声が上がっているのに、政治家の方が応えないということはとても悲しいことであり、それでは日本の政治は変わらないんだと思っています。

昨年、安保法制に対して、SEALDsならびに本当に多くの方が声を上げました。それは政治家の方に頑張ってほしいという声だけでなく、「政治家に任せてられない」ということなんだと思います。しかしですね、安保法制が通った時に僕は国会前にいました。そして安保法制が通った時に、僕はその国会内の音を中継で流して、そのままスピーカーで流していました。

今でも忘れません。あまり音質の良いスピーカーじゃなかったんですけれど、一人一人の国会議員の方の名前が読み上げられ、採決された瞬間のことを。

しかしですね、一つ嬉しかったことがありました。その時に「憲法違反」というコールが国会の外ではなく、国会の中から聞こえてきました。そのコールを僕はすごく覚えています。それに呼応するように、僕たちは声を上げました。

政治家の方が本当に頑張ってくれている。なんかそういうことが嬉しかったということが、僕は人生で無かったように思うんですね。声を上げることでどうせ変わらないよ、っていう人がほとんどの中で、自分たちが声を上げることによって、政治家の人が応えてくれた。それがテレビの中継で流れていた。

先ほど、「国民の政治離れをどうにかしなければならない」と、「呼びかけなければならない」と神津会長がおっしゃっていましたけれど、僕が中央公聴会でスピーチしたときに、僕の目の前の与党の議員の方は寝ていました(会場から笑い)。果たして、国民の政治離れなんでしょうか。それとも政治の国民離れなんでしょうか(会場から拍手)。この責任は俺たちにあるんでしょうか、それとも政治家の皆さんにあるんでしょうか。僕は、その責任を引き受けたいと思います。この国に生きる一人の人間として、この国の責任を引き受けたいと思います。

しかしですね、「自己責任」という言葉がありますよね。僕はその言葉が非常に嫌いです。つまり、例えば「保育園落ちたの私だ」っていう声を上げると、そんなの子供を産んだお前の自己責任じゃないか、っていう人がいます。でも、だとしたら、なんのために社会はあるんでしょうか。なんのために政治はあるんでしょうか。なんのためにこの国はあるんでしょうか。

我々一人の暮らしのために政治はあるんであって、お前のせいだというために政治はないはずだと思うんです。政治は開かれたものであってほしいと僕は思うんです。きっと思うことはたくさんあると思います。それが政治的な言葉になっていないだけで、この国の今、どこかおかしいと。で、その声になっていない声にもっともっと耳を傾けてほしいと思います。

今、相対的貧困が6人に1人、保育園の待機児童が東京だけでも2万人以上いるっていう風に言われています。その社会の中で「自己責任」といわれても、僕はなんか変だなと思うんです、単純に。「女性の活躍」って言っておきながら、女性と男性の賃金はなんでこんなに違うんでしょう。なぜここに、目の前にいる人はほとんど男性なんでしょう。おかしくないですか?(会場から拍手。)男性と女性の賃金はイコールであってもいいと僕は思います。

今年は18歳選挙権ということもあって、すごく若者の投票率をどうこうっていうことが話題になると思うんですけれど、ぜひそういうことをですね、選挙の争点だからということとか、話題になるからということではなく、若者の声を聞いてほしいなという風に単純に思います。で、そうであるならば、この間、岡田代表も言っていましたけど、被選挙権を下げてほしいなと僕は強く思っています。18歳が考えて選挙に行けというんであれば、18歳が国会にいたっていいじゃないですか(拍手)。

民進党が、民とともに進むっていう、国民とともに進むっていうというスローガンがウソじゃなくて、本気で言ってほしいなと思います。僕らはアホじゃないです。僕らは馬鹿じゃないです。この政治家がウソをついているか本当のことを言ってるかって、なんとなく喋っているのを聞いたら分かります(会場から笑いと拍手。)。だって、それがみんなだまされているんだったら、戦後最低の投票率にならないでしょう。僕たちは政治家の人に対して「ありがとう」と言ってみたいです。単純に応援したり「頑張ってください」と言ってみたいです。そして僕たちも頑張ります。よろしくお願いします。

新役員が選任

続いて、岡田代表から新役員が提案され、役職・氏名の読み上げとともに、選任された議員が立ち上がり一礼した。しかし、岡田氏は政務調査会長の読み上げをしないまま「以上、提案いたします…失礼いたしました。政調会長に山尾志桜里衆議院議員。…一番大事な人を忘れておりました」と再び苦笑。会場からは笑い声が上がっていた。

役職名 氏名(旧所属) 代表 岡田克也(民主) 代表代行 江田憲司(維新) 長妻昭(民主) 蓮舫(民主) 幹事長 枝野幸男(民主) 幹事長代理 今井雅人(維新) 政務調査会長 山尾志桜里(民主) 国会対策委員長 安住淳(民主) 参院議員会長 郡司彰(民主) 選挙対策委員長 玄葉光一郎(民主)

最後に枝野幹事長より活動方針が提案され、4月の衆院北海道5区補選に出馬する池田まき氏、京都3区補選に出馬する泉健太氏が抱負を述べ、全員による「頑張ろうコール」で締めくくった。





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