LUMIX GH6レビュー。手持ちハイレゾショットが便利、静止画も動画もイケるマルチな1台

パナソニックは、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「LUMIX GH6」を3月25日に発売しました。

パナソニックのマイクロフォーサーズラインナップとなるGシリーズのハイエンド機種として位置づけられるGH6。動画も静止画もマルチに対応してくれるという触れ込みの同機を早速チェックしました。

GH6は新開発の2521万画素のセンサーを搭載し、V-Log撮影、5.7K/60P(4K/120P, FHD/240P)のハイフレームレート撮影など動画機能はかなり強化されているように見受けられます。

スチル機能としては、連写画像を合成し1億画素相当の画像を生成する「ハイレゾモード」が手持ちでの撮影に対応したことで、マイクロフォーサーズのコンパクトさを活かしながらも、フルサイズ高画素機並のハイレゾ撮影が手軽にできる点もポイントです。

今回、時間が限られた中での実機レビューですが、主に撮影体験を中心にお送りしたいと思います。

フルサイズミラーレス機よりも大きなボディという存在感

ハンズオン体験でも感じたのですが、実際に持ち歩いたり使ったりしていると改めて実感するのがその大きさです。

▲最も存在感を感じさせるのはバッテリーが収納されるグリップ部と、ヒートシンクなど放熱機構が収まった背面モニターのエリアです

同社のフルサイズ機S1シリーズと比較すればコンパクトとは言えますが、筆者の所有するNikon Z 6 IIと比較するとそれよりも大きくて重いのです。昨年末にNikon Z 9を入手し、多くの撮影でZ 9を使用していたのですぐには気がつかなかったのですが、ふとZ 6 IIを手にした際「あれ?GH6のほうが大きくない?」と思ったのがきっかけです。

ちなみに、同時期に発売のマイクロフォーサーズ機OM-1と比較しても大きくずっしり感じます。

もちろん、センサーが小型だからといってボディが小型軽量であるべきということではありません。ボディが小さすぎるとモードダイヤルや設定ボタンなどが少なくて操作がやりにくくなる面もあります。その点GH 6は、ドライブモードダイヤル、モードダイヤルのほか、様々なボタンが使いやすく配置されていて直感的に操作できます。

グリップした感じもよく、しっかりと握り込める深さもあって全体的に良い印象です。大型ボディの良い点としては、フルサイズ(Type A)のHDMI端子が採用されるなど使い勝手の面も挙げられます。また、チルトフリー機構のモニターも撮影時の自由度が高く使いやすかったです。

手持ちハイレゾショットが手軽で楽しい

今回のレビューの中で最も多用したのが手持ちハイレゾショットでした。

GH6と一緒に借りたLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.も安定した良いレンズでしたが、OLYMPUSのBCL-0980(9mm F8.0 Fisheye)やBCL-1580(15mm F8)といったボディキャップレンズを付けて散歩に出かけ、ここぞという時はハイレゾショットに切り替えて撮影、というのが手軽で気に入りました。

EXテレコンを併用すれば単焦点レンズでも簡易的なズームレンズとして使えますし、ハイレゾショットで撮影すればトリミングにもある程度は耐えられます。

最終的には、EXテレコンを使うよりは、拡大したいときはハイレゾショットに切り替えて使う(後でトリミングする)ほうがGH6では使いやすいと思いました。

動画撮影時にEXテレコンはないの? と思いきや「PIXEL/PIXEL」という名称になっていることを返却後に気づきました。写真時のEXテレコンも画像サイズによって倍率が違うのが若干使いづらい(イメージしにくい)ところではあります。

GHシリーズ、Sシリーズともに防塵、防滴設計なので、雨天でも安心して使えます。あえて土砂降りの中で撮影というのはあまりないシチュエーションかもしれませんが、撮影中に急に雨が降ってきたり、雨の中次の撮影ポイントへ移動したりすることはあり得ますし、スペックとしてうたわれているのは安心です。

仕事で使うならやっぱりフルサイズ機でないと……みたいな空気感がありましたが、実際にGH6を使ってみるとマイクロフォーサーズでも通用する場面はまだまだあるなと感じました。特に、ジンバルに乗せたり、他の荷物が多いアウトドアだったりは助かる場面が多いはずです。

また、動画撮影機能が充実しているので、スチルとムービーを一台でこなせます。静止画も動画もどちらかがオマケ機能みたいなことがないのも良いと思いました。

価格的には同社のフルサイズ機LUMIX S5と同じくらいですが、S5が普及機に対してGH6はフラッグシップ機ですので、ここぞという場面で効いてくる機能面はGH6の方が上。どうしてもフルサイズでなければとか、すでにLマウント機、Lマウントレンズがあるというのでなければ、GH6の選択肢は十分にあるでしょう。

今回、十分な期間いじり倒せなかったというのもありますが、久々に返却するのが惜しいと思ったカメラでした。

関連記事:

「OM-1」「GH6」実機チェック。マイクロフォーサーズ陣営にハイエンドラインナップが登場