2022年3月9日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がウクライナ東部ドネツィク州にあるマリウポリの小児病院がロシア軍に攻撃されたとTwitterで発表しました。これに対して、イギリス・ロンドンにあるロシア大使館は「この小児病院はすでに利用されていなかったものであり、攻撃を受けた小児病院の画像は偽造されたものだ」とTwitter上で主張していたのですが、Twitterはポリシー違反であるとして同ツイートを削除しました。

Twitter (TWTR) Removes False Tweets Sent by Russian Embassy in London - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-10/twitter-removes-false-tweets-sent-by-russian-embassy-in-london

Twitter removes Russian embassy tweet on Mariupol bombing | Ukraine | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/2022/mar/10/twitter-removes-russian-embassy-tweet-on-mariupol-bombing

Twitter removes Russian embassy tweets over Mariupol hospital bombing, victim | TheHill

https://thehill.com/policy/technology/597758-twitter-removes-russian-embassy-tweets-over-mariupol-hospital-bombing

Twitter removes Russian UK Embassy tweets for Ukraine denials

https://www.cnbc.com/2022/03/10/twitter-removes-russian-uk-embassy-tweets-for-ukraine-denials.html

現地時間の3月9日、ゼレンスキー大統領は「マリウポリにある建物にロシア軍の爆弾が直撃しました。瓦礫の下には多くの人と子どもが埋まったままです。残虐すぎます。世界はいつまでテロを無視する共犯でいつづけるつもりなのでしょう。今すぐ空を閉ざし、殺戮を止めるべきです」とツイートし、マリウポリの小児病院がロシア軍の攻撃により倒壊したことを発表しました。



軍事施設やインフラストラクチャーではなく無防備な妊婦や子どものいる小児病院をターゲットとしたロシア軍による攻撃に対して、海外メディアは大々的に報じ、各国政府からもロシアを批判する声が挙がりました。

これに対して、イギリス・ロンドンにあるロシア大使館は「マリウポリの小児病院は長い間利用されていませんでした。代わりに、武装勢力や過激派、つまりはネオナチのアゾフ大隊が利用していたということです。さらに、ロシアは3日前に国連安全保障理事会に警告を発しました」とツイート。



さらに、ロシア大使館はウクライナ政府や報道機関が公開した「マリウポリの小児病院が受けた攻撃の被害者」の写真には、ウクライナ人美容ブロガーのマリアンナ・ポドグルスカヤ氏が含まれており、これがフェイクの証拠であると指摘していました。



しかし、調査ジャーナリズムサイト・Bellingcatの創設者であるEliot Higgins氏は、「マリアンナ・ポドグルスカヤ氏はInstagramに最後に投稿した画像は妊娠中であることを示すものであり、ロシア大使館はこのことに言及していない」と指摘しました。



その後、Twitterは「Twitterのルールに違反した」として、ロシア大使館によるツイートを削除しました。

Twitterの広報担当者は、ロシア大使館の当該ツイートを削除した理由として「Twitterのルール、特に暴力的な出来事の拒絶に関する我々の憎悪行為と虐待行為のポリシーに違反していたため」と説明しています。

なお、ロシア大使館による「ウクライナが公開するマリウポリ小児病院に関する情報はフェイクである」という投稿を削除したのは、Twitterだけではありません。Facebookもロシア大使館による同様の投稿を削除しています。Facebookの運営元であるMetaは、同投稿について「暴力的な悲劇、または暴力的な悲劇の犠牲者に関するコンテンツを投稿し、暴力的な悲劇が起こらなかったと主張した」と述べ、これがプラットフォームのルールに違反していると指摘しています。