令和の時代を迎え、平成の前にあたる昭和の文化をフィーチャーした「昭和レトロ」。中でも当時の歌謡曲「昭和歌謡」に注目が集まっているようです。

 音楽映像配信サービスのdTVが、2022年1月に全国約395名の男女を対象としたアンケート調査を行い、結果が発表されました。昭和歌謡を好んで聴く人は83%、当時のライブ映像を見たいと回答した人は75%にのぼったといいます。

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 dTVは、人気アーティストのライブ映像やミュージックビデオなど、様々な音楽コンテンツを提供している映像配信サービス。このところの昭和レトロブームで、昭和歌謡に注目が集まりつつある現状を調査するため、インターネットを通じてアンケート調査を行ったといいます。

 調査対象となったのは、全国の30代〜50代以上の男女395人。2022年1月1日〜20日の期間に実施したところ、昭和生まれの歌、いわゆる「昭和歌謡」を好んで聴くかという設問では、全体の83%が「はい」と答えたとのこと。

 年代別の解答構成を見てみると、昭和の時代を多く過ごしてきた50代以上で「はい」が87%を占めるのは当然ですが、親世代の影響からか昭和・平成生生まれが存在する30代でも「はい」が85%となる結果。思った以上に、昭和歌謡は幅広い世代に受け入れられているようです。

 昭和歌謡の魅力はどこにあるのでしょうか。これについての設問で、元も多い回答となったのは「親しみや温かさを感じるから」で225件。続いて184件の「歌詞やメッセージに共感できるから」となり、普遍的な内容を歌う歌詞や、技巧的に走りすぎない曲調などに親しみを感じているのかもしれません。

 このような魅力を感じているからか、昭和歌謡を聴きたいシチュエーションを問う設問では、全体の約半数にあたる46%が「リラックスしたい時」と解答。曲として尖りすぎていない点で、昭和歌謡は癒やされる音楽、と捉えられているようです。

 昭和の時代は映像技術が徐々に発達し、後期から末期にかけて多くのライブ映像が残されました。これらのライブ映像を見てみたいか、という設問では全体の75%が「はい」と解答。

 楽曲だけでなく、当時の衣装や演出といった空気感を味わいたいという人が多いようです。この傾向は、当時を過ごしてきた50代以上(はい=80%)だけでなく、30代(はい=69%)でも高く、昭和レトロと合わせて「昭和という時代」を追体験したいと考えているのかもしれません。

 昭和歌謡の中でも、好きな歌手について尋ねてみると、最も多く名が挙げられたのは中森明菜さんで41%。次いで森高千里さんの(8%)、薬師丸ひろ子さん(7%)となり、このお3方で半数以上を占めたといいます。

 中森明菜さんを好きな理由としては、“歌姫”と称された歌唱力を挙げる方が多く、現在表立った活動を控えていることもあり、動画を活用して改めて姿を見たい、という思いが強いようです。また、森高千里さんに関しては楽曲をカラオケで歌う、というものから「メイクや衣装などを真似したい」と、ライブパフォーマンスの評価も高かったのが印象的です。

 昭和は昭和64年1月7日までと長く、その間に多くの流行やメディアの発達が目覚ましかったこともあり、豊富なコンテンツが大きな魅力。幅広い昭和歌謡のコンテンツが様々な方法で楽しめると、より親しみやすいものになるのかもしれません。

情報提供:エイベックス通信放送株式会社

(咲村珠樹)