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17日間の熱い冬の始まりです!

ついに開幕を迎えた北京五輪。4日は開会式が行なわれ、17日間の戦いが本格的に幕を開けました。コロナ禍という引きつづき厳しい状況での開催であり、中国という国家が並行して行なっているさまざまなことについての懸念も高まる一方ですが、むしろそんなときだからこそ五輪・パラリンピックという機会を大事にしていきたいもの。

これからの17日間、世界は建前だけであったとしても「平和」を共に作ることを目指します。中国は開かれた国家として、世界の国と地域が「共存してやってもいいだろう」と思えるような姿を示すことを目指します。それがたとえ一過性のものであったとしても、互いを見て、互いを知り、互いのことを考えるのが平和への第一歩。この「きっかけ」がきっと次の一歩につながるはずです。

スポーツにはスポーツならではのチカラがあります。国家や思想とは関係のない別ルールで行なわれるスポーツだからこそ、「アレのことはさておき、お前さんは凄いな」という率直な敬意を持つことができます。その先に「アイツがいるあの国」「あのとき競い合ったあの国」という思い入れが生まれていきます。たとえばトンガで噴火が起きたと聞いたとき、「ラグビーの…」と思った人も多いでしょう。そうした積み重ねが世界をつなぐチカラとなる。そう信じて、91の国と地域が集う平和の祭典を見守りたいと思います。



二十四節季をモチーフにしたカウントダウンで始まった開会式。2008年北京五輪開会式なども手掛けた映画監督チャン・イーモウさんの演出は、プロの歌い手やダンサーをあえて起用せず、どこにでもいる一般の人によって行なわれると言います。この祭典は誰かのものではなくあなたのものなのです……そんなメッセージを送るかのよう。

「立春」を迎えたスタジアムには緑色の輝く穂のような光が現れ、新春の喜びを世界に広げます。昨夏の東京五輪ではどうしてもコロナ禍を始めとした困難に立ち向かう世界への祈り、震災からの復興というものが中心的なテーマになっていましたが、北京は次のステップとして「未来」へと式典を盛り上げていくかのよう。

演出にも未来感があり、フィールド中央から現れた直方体に24本のレーザー光を当ててモニターで映すのともプロジェクターで映すのともドローンで描くのともまた違う形で映像を生み出した場面は、一本取られたなと唸りました。そこで描かれる映像には、シャモニー大会に始まる冬季五輪の歴史が描かれ、札幌や長野の記憶もしっかりと刻まれています。過去をつないで、北京という未来をこれから生み出そう、そんな前向きな気持ちにさせられました。

↓くーーー、正直カッコいい!


やがてその直方体は「削り落とされる」ような映像を映し出しながら、じょじょにフィールド下に下がっていき、まるで「氷から削り出した」かのように五輪が現れました。東京が木なら北京は氷。自然のなかに調和して生きて行こうとする人々の精神性を感じる演出です。第3回東京五輪では「このシンボルは何と段ボールで作られているんです」「わー、それは再利用しやすいですね」なんて演出もあるかもしれませんね!




と、ここまでわずか20分ほどですが、早くも選手入場の時間に。今大会は91の国と地域が参加し、中国で漢字で書いたときの1文字目の画数順で登場してくるとのこと。先導する係員が掲げる雪の結晶の形をしたプラカードには、漢字と英字で国名が記されています。感染対策という側面もあって行進するのは参加選手のごく一部ですが、こうやってひとつひとつの国や地域がコールされ、世界にその名が轟くことに大きな意味があるはず。じっくりと見守ります。

すると早速ですが、通例なら「J」で後半に登場してくる日本が、画数順では10番目という早い段階で登場してきます。赤と白の日の丸カラーが夜のスタジアムにとても映えています。映像の距離が遠いのでハッキリと映ってはいませんでしたが、2人の選手がバク転をしながら入場してきたではないですか。どうやらバク転していたのはフリースタイルスキー・モーグルの堀島行真さんと松田颯さんである模様(※松田さんが公式アカ及び別アカにて自分と堀島さんとでやっている旨を報告)。メダルを獲得したあとに「実はあれ僕です」をやるか、大コケしたあとで「実はあれ僕です」をやるかで世間の反応もだいぶ違うと思うので、しっかり本番でもバックフリップを決めてもらいたいところ。まぁこれぐらい楽しんでこその開会式ですね!

↓開会式は選手が楽しければいいのです!


↓モーグル松田颯さんはバク転がズレたことを反省中のようです!

よく映っているほうが堀島さんで、映ってないほうが松田さんのようです!

メダル獲ればたっぷり映りますよー!


思い思いのスタイルで入場してくる選手団たち。伝統的な衣装をまとう国、踊りながら入ってくる国、どこからどう見てもイタリアとわかる服装で入ってくるイタリア、どこからどう見てもフランスとわかる服装で鶴翼の陣のような隊列で入ってくるフランス、入場中に集合写真を撮影するアメリカ、そしておなじみのあの国からはおなじみのあの服装の旗手が。たっぷりじっくりと会場の雰囲気を味わってくれたらいいなと思います。

↓いつものピタ・タウファトファさんではないけれど絶対に半裸で入場する決まりのトンガ!(※気温はマイナス3度とのこと)


↓「FFみたいな夏服」コンテスト優勝のカザフスタンは、「FFみたいな冬服」コンテストでも優勝!


↓アルマーニが作った「絶対にイタリアとわからせる」衣装!


↓そして最後に中国の大選手団が入場!


↓行進を終えると係員が掲げるプラカードがひとつに融合していく演出で、フィールド中央に雪の結晶を束ねて作った巨大な結晶が登場!

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その後は、再び映像演出の時間に。過去の大会の名場面と、日常の風景を融合させて、日常と五輪とをつなぐような映像が流れます。こちらには日本勢からもいくつか映像がピックアップされており、ショートトラックでのリレーの一場面や、平昌での高梨沙羅さんの映像、羽生結弦氏らフィギュアスケートの面々の活躍が使用されていました。特に羽生氏はメインモチーフのひとつとして使われる特級の扱い。全世界向けのダイジェストで特級の扱いをされる選手が日本にいる、そのありがたみをしっかり感じていきたいもの。

そして「出てくれたこと」に感謝したいもの。逆の立場で言えば、カミル・ストッフがいることの喜びだったり、イレイン・ビュストがいることの喜びだったり、ショーン・ホワイトがいることの喜びだったりと同じものをユヅル・ハニュウは世界に届けているわけです。「出てくれたこと」に世界がきっと感謝している。そういう選手を日本からも送り出せて誇らしく思います。



北京冬季五輪・パラリンピック組織委員会の蔡奇会長のあいさつ、IOCバッハ会長のあいさつ、中国の習近平国家主席による開会宣言とポンポーンと進む式典。ごあいさつするお歴々の後ろで各国の旗を掲げている青年たちは、みな満面の笑顔でこの大会を開催できる喜びを感じているようです。徹頭徹尾の見事な笑顔。無限大の喜びがそこにある。きっと笑顔であふれる大会になることでしょう。

↓開催地の人々もすごく楽しみにしてきたんだなって思いました!


↓開会宣言のあとはIOCが大好きなイマジンが流れ、オリンピック・モットーが表示されました!


その後はオリンピック旗の掲揚、23時を過ぎても元気な子どもたちによるオリンピック賛歌の合唱、選手・審判団・コーチによる宣誓、23時を過ぎても元気な子どもたちによる開会式テーマ曲の合唱、そして23時を過ぎても元気な子どもたちがハトのちょうちんを掲げてフィールドを駆け回る平和の祈りとつづきます。圧倒的物量でお届けされる元気な子どもたちの姿に、コレが超大国かと震える僕。東京五輪の開会式も、これぐらいの人数でが〜まるちょばがいればよかったなとチラリと思いました。

↓この光の点のひとつひとつが元気な子どもたちでできています!


そして式典はお待ちかねの聖火点灯へ。2008年は空飛ぶ聖火ランナーを登場させた北京ですが、今回はコンパクト志向なのか大変シンプルなもの。各年代を代表するオリンピアンが聖火をリレーし、最終点火者は2000年代に生まれた今大会に出場する若きアスリート2名が行なう形となりました。最終点火者の女性のほうはウイグル族出身の選手とのことで、それ自体は「なるほど」という話です。建前かもしれませんが、建前として意識しなければいけないことは中国側もわかっているようです。

しかし、意表を突かれたのは聖火台の形。先ほど登場した雪の結晶が聖火台なのですが、薄い結晶状のオブジェのどこに聖火台があるのかと思いきや、最終点火者は手にしたトーチを結晶にスポッとはめたではありませんか。「これは点火ではなく設置ですね…」と思いつつ、トーチがはまった結晶が上昇していくのを見守る全世界。これが脱炭素社会なのか。景気よく燃え盛る炎を見てテンションをあげてきた人類の歴史は今まさに転換点を迎えているのか。小さな炎と大きな情熱。ある意味で「この火を決して絶やしてはならぬ」という決意が強まる聖火点灯でした!

↓キャンプファイアーに行ったらマッチ1本すられて終わった感じの小さな聖火!

この火を絶やさないように頑張りましょう!


とにもかくにも北京五輪は開幕を迎えました。毎日のように有力選手がコロナ陽性判定で離脱するという厳しい条件のなかでの開催ですが、ひとりでも多くの選手が「生涯最高」を体現できるように祈りたいと思います。そして、選手たちが放つ巨大な光を受けて、未来への元気や勇気を自分のなかに灯したいと思います。小さな火種も、燃え広がれば巨大な炎となります。北京という火種から巨大な炎を広げ、世界を明るく照らしていきましょう!

↓NHKによるハイライト動画はコチラです!


大きな火柱をあげることには何の意味もない、と言われたらその通りです!