“5万円”購入のボロ物件で高利回り! 普通のサラリーマンが成功したお宝立地とは
資産運用や副業として古くから人気がある不動産投資だが、物件を購入するのにまとまったお金が必要なため、なかなか「普通のサラリーマン」には手が出しにくい。
そんな不動産投資の常識を変えるのが『“5万円”購入ではじめる「副業」不動産投資』(脇田雄太/著、ごま書房新社/刊)で紹介されている「ボロ物件」を利用した不動産投資だ。この手法では老朽化した戸建て物件を格安で購入し、リフォームを施して賃貸に回す。これなら、人によってはローンを組まずとも物件を手に入れることができる。
この手法の成功の秘訣や注意すべきポイントはどんなところにあるのか。今回は著者の脇田雄太氏にお話をうかがった。
■5万円で買えるボロ戸建てに家賃5万円で借り手がつく仕組み
――『“5万円”購入ではじめる「副業」不動産投資』で紹介されている投資手法は、リフォームすることを前提として中古の戸建て物件を格安で取得して、人に貸して家賃収入を得るというやり方です。脇田さんがこの不動産投資を始めたきっかけや理由がありましたら教えていただければと思います。
脇田:不動産投資の世界に入ったのは、リフォームが好きだったからです。20代後半の頃に自宅を建てたのですが、その時に設備品を選んだり、クロスの柄を選んだりするのが楽しくて、そこからリフォームが趣味になっていました。
それでフルローンでお金を借りて、鉄筋コンクリートで築13年くらいの、17世帯入れる大きめのファミリー向け物件を買って、リフォームして人に貸すところから入りました。それこそ1棟1億円くらいの買い物です。でも言い換えれば1億円借金をするということなので、怖かったんです。月のローンの返済額が43万円ですから。
――それは、普通の人には怖い額です。
脇田:幸い借り手はついて、家賃収入として月に100万円くらい入ってきていたので、問題ないといえば問題ないのですが、やはり35年近く月43万円返さないといけないのは重荷でした。その間に何かのきっかけで返済ができなくなるかもしれないじゃないですか。
でも、周囲の不動産投資をしている人を見ると、みんな競うように借金をするんですよね。物件情報が出ると、現地に行って見てもいないのにローンを組んで買い付けたりするんですよ。1億、2億の物件を。
――いつか破綻しそうな買い方ですね。
脇田:おっしゃるとおりで、彼らと同じことをしていたらいつか人生がおかしくなると思ったんです。それが2008年くらい。
初めて買った物件で好きなリフォームができて楽しかったのですが、今度は借金が怖くなってしまった。でもリフォームはしたい、と(笑)。どうしようか、となった時に、地方の古い戸建てだったらすごく安く買えることに気づいたんです。ローンを組まずに現物で物件が手に入るということで、やってみることにしました。
――将来のお金の不安から、というわけではなくリフォームが好きだから不動産投資を始めたというのがおもしろいですね。
脇田:そうです。クロスを選んだりするのが楽しくてこの世界に入りました。
――脇田さんはこの本で解説されているような、古い戸建てをリフォームして賃貸に回す不動産投資を長崎でされているとお聞きしましたが、賃貸需要は多いのでしょうか?
脇田:もちろんあります。僕は大阪の人間で、東京にもいたことがあるので、「福岡ですら賃貸物件はダブついているのに、長崎に需要あるの?」と思っていたのですが、実際はすごくあるんですよ。長崎市内の中心地の話ですが。
――ただ、なぜ長崎に目をつけたのでしょうか?不動産投資に適した土地は他にもありそうです。
脇田:長崎って「平地」が少ない土地なんです。中心地でも少し歩くと「階段立地」といって、階段の上に家があるような場所がたくさんあります。当然、車は入れません。
長崎の方はそういう土地に慣れているので、住むぶんには抵抗なく住まれるのですが、一方でそういう土地って安いんですよ。長崎市内でも、それこそ土地と戸建ての家で50万円とか。
――それは安いですね。家の状態はどうなのでしょうか。
脇田:ボロボロです。タダでもいいからもらってほしいという人がいるくらいなので。だいたい0円から300万円くらいまでの間に収まるのですが、総じてボロボロですね。ボロボロ度合いが低いものは300万円や200万円で、ものすごくボロボロだと0円とか5万円です。
――5万円で買えるくらいボロボロの家はリフォームでどうにかなるレベルなのですか?
脇田:はい。昔『劇的ビフォーアフター』というテレビ番組がありましたよね。あれを見ているとほとんど「建て替え」というレベルで手を入れていますが、古い柱は残していたりするので、日本の法律でいえば「リフォーム」なんです。だから人が住める状態になるようにリフォームすることは可能です。
ただ、基礎とか柱などはいじらないで済むに越したことはないので、ボロボロななかでもしっかりしたものを見極めて買うのが大切です。
――タイトルにある「5万円購入で始める」というのは、「家賃月5万円くらい取れるようにリフォームして貸す」という意味の5万円ですか?
脇田:いえ、これは5万円で物件を買って始める、という5万円ですね。
――さっきお話しいただいた「0円から300万円」の中の5万円ですね。5万円で買える物件のボロボロ度合いはどのくらいなのでしょうか。先ほどのおはなしだとかなり老朽化しているイメージです。
脇田:意外とちゃんとしていますよ。物件にもよりますが、床と天井、水回りをきれいにすれば女性も違和感なく住めると思います。
――リフォームの詳細について教えてください。
脇田:予算にもよりますが、古い家屋だと和式トイレだったりするので、洋式に替えます。汲み取り式だったら、市の下水道につないで水洗にしますね。
目に見えるところをきれいにするのはもちろんですが、私は見えない部分もきれいにするようにしています。たとえば、電気コンセントの表面のプレートだけつけ替えてきれいにしたように装う人もいるのですが、私は中の配線も新しいものに替えますし、ブレーカーや近くの電柱からの引き込み線も替えます。「ボロ物件投資」と銘打っていますし、5万円で物件を買っているのですが、電気や上水道、下水道は新築同然にしています。
最初の頃は私もできるだけ安くリフォームしようとして、表面だけ直していたのですが、そうすると入居者が入ってからクレームが来て、追加工事が必要になったりするケースがあるんですよ。そうなると想定した利回りを維持できませんし、人が住み始めてからの工事は割高になります。それなら最初にきちんとやっておいた方がいいと気づいて、5年ほど前から、リフォームの時に見えない部分もきれいにしています。
――それはこれから不動産投資を始める方へのアドバイスとして大事かもしれませんね。
脇田:最初に多少お金がかかっても、しっかり工事しておいた方が長期的には得だとは思いますね。
――リフォームにかける予算と、入居者を募る時の家賃は比例しますか?
脇田:そうですね。ただ、最初にお伝えしたいのは、家賃が高くても安くても立地さえきちんと選べば、入居者は見つかるということです。そのうえで、お金をかけてしっかりリフォームした物件には、少々家賃が高くても入居者がつきます。
(後編につづく)
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■5万円で買えるボロ戸建てに家賃5万円で借り手がつく仕組み
――『“5万円”購入ではじめる「副業」不動産投資』で紹介されている投資手法は、リフォームすることを前提として中古の戸建て物件を格安で取得して、人に貸して家賃収入を得るというやり方です。脇田さんがこの不動産投資を始めたきっかけや理由がありましたら教えていただければと思います。
脇田:不動産投資の世界に入ったのは、リフォームが好きだったからです。20代後半の頃に自宅を建てたのですが、その時に設備品を選んだり、クロスの柄を選んだりするのが楽しくて、そこからリフォームが趣味になっていました。
それでフルローンでお金を借りて、鉄筋コンクリートで築13年くらいの、17世帯入れる大きめのファミリー向け物件を買って、リフォームして人に貸すところから入りました。それこそ1棟1億円くらいの買い物です。でも言い換えれば1億円借金をするということなので、怖かったんです。月のローンの返済額が43万円ですから。
――それは、普通の人には怖い額です。
脇田:幸い借り手はついて、家賃収入として月に100万円くらい入ってきていたので、問題ないといえば問題ないのですが、やはり35年近く月43万円返さないといけないのは重荷でした。その間に何かのきっかけで返済ができなくなるかもしれないじゃないですか。
でも、周囲の不動産投資をしている人を見ると、みんな競うように借金をするんですよね。物件情報が出ると、現地に行って見てもいないのにローンを組んで買い付けたりするんですよ。1億、2億の物件を。
――いつか破綻しそうな買い方ですね。
脇田:おっしゃるとおりで、彼らと同じことをしていたらいつか人生がおかしくなると思ったんです。それが2008年くらい。
初めて買った物件で好きなリフォームができて楽しかったのですが、今度は借金が怖くなってしまった。でもリフォームはしたい、と(笑)。どうしようか、となった時に、地方の古い戸建てだったらすごく安く買えることに気づいたんです。ローンを組まずに現物で物件が手に入るということで、やってみることにしました。
――将来のお金の不安から、というわけではなくリフォームが好きだから不動産投資を始めたというのがおもしろいですね。
脇田:そうです。クロスを選んだりするのが楽しくてこの世界に入りました。
――脇田さんはこの本で解説されているような、古い戸建てをリフォームして賃貸に回す不動産投資を長崎でされているとお聞きしましたが、賃貸需要は多いのでしょうか?
脇田:もちろんあります。僕は大阪の人間で、東京にもいたことがあるので、「福岡ですら賃貸物件はダブついているのに、長崎に需要あるの?」と思っていたのですが、実際はすごくあるんですよ。長崎市内の中心地の話ですが。
――ただ、なぜ長崎に目をつけたのでしょうか?不動産投資に適した土地は他にもありそうです。
脇田:長崎って「平地」が少ない土地なんです。中心地でも少し歩くと「階段立地」といって、階段の上に家があるような場所がたくさんあります。当然、車は入れません。
長崎の方はそういう土地に慣れているので、住むぶんには抵抗なく住まれるのですが、一方でそういう土地って安いんですよ。長崎市内でも、それこそ土地と戸建ての家で50万円とか。
――それは安いですね。家の状態はどうなのでしょうか。
脇田:ボロボロです。タダでもいいからもらってほしいという人がいるくらいなので。だいたい0円から300万円くらいまでの間に収まるのですが、総じてボロボロですね。ボロボロ度合いが低いものは300万円や200万円で、ものすごくボロボロだと0円とか5万円です。
――5万円で買えるくらいボロボロの家はリフォームでどうにかなるレベルなのですか?
脇田:はい。昔『劇的ビフォーアフター』というテレビ番組がありましたよね。あれを見ているとほとんど「建て替え」というレベルで手を入れていますが、古い柱は残していたりするので、日本の法律でいえば「リフォーム」なんです。だから人が住める状態になるようにリフォームすることは可能です。
ただ、基礎とか柱などはいじらないで済むに越したことはないので、ボロボロななかでもしっかりしたものを見極めて買うのが大切です。
――タイトルにある「5万円購入で始める」というのは、「家賃月5万円くらい取れるようにリフォームして貸す」という意味の5万円ですか?
脇田:いえ、これは5万円で物件を買って始める、という5万円ですね。
――さっきお話しいただいた「0円から300万円」の中の5万円ですね。5万円で買える物件のボロボロ度合いはどのくらいなのでしょうか。先ほどのおはなしだとかなり老朽化しているイメージです。
脇田:意外とちゃんとしていますよ。物件にもよりますが、床と天井、水回りをきれいにすれば女性も違和感なく住めると思います。
――リフォームの詳細について教えてください。
脇田:予算にもよりますが、古い家屋だと和式トイレだったりするので、洋式に替えます。汲み取り式だったら、市の下水道につないで水洗にしますね。
目に見えるところをきれいにするのはもちろんですが、私は見えない部分もきれいにするようにしています。たとえば、電気コンセントの表面のプレートだけつけ替えてきれいにしたように装う人もいるのですが、私は中の配線も新しいものに替えますし、ブレーカーや近くの電柱からの引き込み線も替えます。「ボロ物件投資」と銘打っていますし、5万円で物件を買っているのですが、電気や上水道、下水道は新築同然にしています。
最初の頃は私もできるだけ安くリフォームしようとして、表面だけ直していたのですが、そうすると入居者が入ってからクレームが来て、追加工事が必要になったりするケースがあるんですよ。そうなると想定した利回りを維持できませんし、人が住み始めてからの工事は割高になります。それなら最初にきちんとやっておいた方がいいと気づいて、5年ほど前から、リフォームの時に見えない部分もきれいにしています。
――それはこれから不動産投資を始める方へのアドバイスとして大事かもしれませんね。
脇田:最初に多少お金がかかっても、しっかり工事しておいた方が長期的には得だとは思いますね。
――リフォームにかける予算と、入居者を募る時の家賃は比例しますか?
脇田:そうですね。ただ、最初にお伝えしたいのは、家賃が高くても安くても立地さえきちんと選べば、入居者は見つかるということです。そのうえで、お金をかけてしっかりリフォームした物件には、少々家賃が高くても入居者がつきます。
(後編につづく)
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