銀座・高級クラブの凋落…ホステス不足で “素人女性” をLINEで募集、“パパ活” と知り肉体関係迫る客も
銀座では「L」のようなクラブが雑居ビルに多数入居している
「前は、半年は通ってもらわないと一見扱いでしたが、今は高級店でも3回通えば、名前で呼ばれるようになりますよ。客足は以前の6割です」
ため息交じりに話すのは高級クラブの幹部だ。
「困るのは、女の子(ホステス)の確保です。緊急事態宣言中、銀座のクラブはほぼ休業しており、宣言明けに復帰した女の子は半分程度です」
クラブは一人の客を複数の女性が接待するため、客数以上のホステスが必要になる。そこで昨今、増えているのが派遣ホステスだ。フリースカウトマンの蔵田陽介氏が語る。
「ホステス派遣会社の顧客は、中級のキャバクラが主でしたが、最近は銀座のクラブも派遣を受けています。以前は、体験入店以外は常勤のホステスだけだったのですが……」
今は、派遣会社だけでは補い切れないホステス不足だ。銀座でも一部のクラブは、意外なルートで人材を募集しているという。ノンフィクション作家の酒井あゆみ氏が語る。
「緊急事態宣言が明けた10月以降、LINEグループ上で銀座のクラブへの派遣依頼が大規模におこなわれています。このグループには “ギャラ飲み” や “パパ活” 目当ての女性が500〜600人参加しています」
“ギャラ飲み” とは、男性と食事をし、女性が金銭を受け取ることだ。“パパ活” の場合は、さらにデートや肉体関係をともなうこともある。本誌は、派遣依頼のLINEを入手した。酒井氏が解説する。
「メッセージを送っているのはクラブのママから依頼された、“パパ活” 女子の一人です。女のコを紹介すると、店から紹介料、もしくは売り上げの一部をもらえます」
こうした “パパ活” 女子は、元ホステスのほか、完全な素人も多い。接客などの基本ができていないが、客にはそれが新鮮なのか、好評だという。
なかでも大規模に募集をかけているのが、20年以上の歴史を持つ高級クラブ「L」だ。前出のクラブ幹部が語る。
「『L』の料金は、総額一人3万円程度です。Hママは、会話術などの著書を多数刊行し、各地の商工会議所などでの講演実績も多い有名人です」
「L」は、一日に10〜20人単位で募集しているという。
「女の子は顔、バストアップ、全身の写真や、身長、スリーサイズ、年齢を送り “合格” となれば、詳細な条件が返信されてくる仕組みです。いつも応募が殺到し、すぐに枠が埋まってしまいます」(酒井氏)
Hママに、LINEでホステスを募集していることについて問い合わせた。
「“ギャラ飲み” の女性を採用しているのは事実です。昨年から、コロナ禍で銀座や六本木のお店で働けなくなったコたちが、“ギャラ飲み” グループに流れたという情報を耳にしまして。そういうコたちがいるなら、採用してお客様の反応を見てもいいのではと、知人にお願いして求人を出してもらったんです。
銀座をあぶれたコが募集を目にして、戻ってきてくれる可能性もありますから。そういうコたちがいるなら、という前提です。ほかにも募集しているお店があるようでしたし」
ホステスは “パパ活” ではなく “ギャラ飲み” のコだと大義名分を強調するが、酒井氏はこう警鐘を鳴らす。
「実際は “パパ活” 女子も多く、彼女たちがクラブで働いていることを知ったうえで、“大人”(肉体関係の隠語)を要求する客が増えています。店はそれを知っているはずです」
「L」のHママはホームページで “銀座流のおもてなし” を掲げている。だが、それを担うホステスが “パパ活” 素人女子では、「羊頭狗肉」というものだ。