まじめすぎるハンバーガー屋。代々木「JB’s TOKYO(ジェイビーズ トウキョウ)」に現地の人も感動

ハンバーガーの概念が変わる一店

チキンバーガーの専門店や有名まぐろ仲卸のネタを使用するフィッシュバーガーの登場など、今年はとくにハンバーガー業界が盛り上がっています。

なかでも今注目すべき店は、今年6月にオープンした代々木の「JB’s TOKYO(ジェイビーズ トウキョウ)」。その姿からして、一見新しいスタイルなのかと思いきや、どうやら本場アメリカの味を追求したハンバーガーのようで……。

代々木「JB’s TOKYO(ジェイビーズ トウキョウ)」

「JB’s TOKYO(ジェイビーズ トウキョウ)」は代々木駅から徒歩数10秒、駅の目と鼻の先にあります。赤と白のオーニングが目印ですよ。

1階はテイクアウトの受け渡し、3階には数席のイートインスペースがあります。テイクアウトでもおいしく食べられるように細かな工夫は施されていますが、「ハンバーガーはできたてでなければ!」というかたは3階がおすすめ。

パンから作る “まじめ” なハンバーガー

オープンのきっかけは、オーナーである佐藤さんがサラリーマン時代にアメリカで食べたハンバーガー。今ではアメリカ本場のハンバーガーに近い味わいの “グルメバーガー” が食べられるお店が増えてはきたものの、ひと昔前はチェーンのファストフード店で大量生産されていたものが一般的でした。

本場のハンバーガーは、日本でいうおにぎりのようなソウルフード。佐藤さんも「かつてアメリカの家庭で食べられたような、すべて手作りの味を届けたい」と思い立ち、お店を作られたとのことです。

素材はほぼ手作り。5つのこだわり

1. 本場の味を出すために計算し尽くされたパティ

ハンバーガーのメインであるパティは牛肉100%で、USビーフ赤身と和牛の脂をブレンドしたものが使われています。USビーフのみではなく和牛の要素を加えているのも、全体のバランスを見た結果だそう。

昨今のグルメバーガーの主流になりつつある粗挽き肉ではなく、口に入れた瞬間ほどけるような食感を楽しめる、ほどよい挽き具合に調整されています。

さらにタネを作る際は、あえて固めずにまとめる程度に仕上げるのもこだわりのひとつのようで……。

軽くまとめたパティは、鉄板で押さて平らに広げながら焼かれていきます。途中で蒸し焼きにすることで、カリッとした食感と、やわらかくホロホロとした食感を同時に味わえるそう。

2. あえての食パン型バンズ

同店のもっとも特徴的なポイントといえば、食パン型のバンズ。一般的にハンバーガーというと丸いバンズだと思われるのですが、これにもしっかりとした理由がありました。

本場アメリカには食パンでパティをサンドする「パティメルト」という、ハンバーガーの原型となる伝統料理があります。これは “元祖ハンバーガー” とされるもので、アメリカの家庭では現在のハンバーガーよりも手軽に食べられていたのだそう。「JB’s TOKYO」でも、本場の家庭の味を提供したいという想いで食パンに行き着いたとのことです。

小麦粉から厳選して毎日手作り

食パンはベーカリーから取り寄せるわけではなく、一から手作りしているというから驚き。北海道産小麦粉とバターを使用し、毎日店内のオーブンで焼き上げられています。

ショートニングやマーガリンは使われていないため、体にもやさしく子どもでも安心して食べられますよ。店頭では食パンのみでも販売されており、取材中もご近所さんたちが続々と購入されていました

3. 卵不使用の豆乳マヨネーズ

マヨネーズも手作り!卵不使用で豆乳をベースに作られた豆乳マヨネーズソースです。パティや野菜などにもなじむさっぱりとした味わいが特徴的。それぞれの具材をひとつにまとめる大切な役割をはたします。

4. 度重なる試作の結果、ケチャップは「ハインツ」

最初はケチャップも手作りにしようと、何度か試作をおこなったそう。ただ「ケチャップだけはハインツ社製がおいしすぎて降参しました(笑)一番パティとの相性も良く、味がバシッと決まるんですよね。これじゃないとTHE アメリカという味にならないんですよ。」とオーナーの佐藤さん。

たしかにどうしても手作りだとやさしい味になってしまいがち、ジャンクフードならではの複雑さや濃さが出ませんよね。とはいっても、ハインツのケチャップも余計な添加物は使われていないのがうれしいところ。

5. 国産きゅうりで作られたオリジナルピクルス

ハンバーガーの名脇役であるピクルスも自家製。通常ピクルスには「ガーキン」と呼ばれる種類のきゅうりが使用されるのですが、日本では手に入りにくく、採れる季節も決まっているため、毎日手作りするには不向きです。そのため、同店では日本の一般的なきゅうりで作られているとのこと。フレッシュな食感や味わいを楽しめますよ。

いざ実食!「レタス&トマト バーガー(+チーズ追加)」を注文

それではお待ちかね、いよいよハンバーガーを食べていきたいと思います。たっぷり具が挟まれていて、かなりインパクトがありますね。見た目のジャンク感は満点!

ひと口頬張ると、バンズの食感と風味に驚愕。表面はカリッと香ばしく焼き上げられており、ふんわり、もっちり感を同時に楽しめます。パティの肉肉しさも素晴らしく、ジューシーなのに脂っぽさはなく旨みが凝縮されていますね。ピクルスのやさしい酸味が全体を引き締めます。

最初のイメージとは裏腹に、実際に味わってみると「本場のハンバーガーを食べている」という強い感覚を覚えます。パティとバンズのバランスはもちろん、ハインツ社製ケチャップのキリっとした風味が本当にいい仕事をしていますね。豆乳マヨネーズのさり気ないコクもたまりません。

自家製ドレッシングつき。女性に人気のサラダセット

セットメニューで一番人気なのが、ドリンクとサラダがつく「サラダセット」。ハンバーガーも食べたいけど、野菜もしっかりとりたいという方におすすめです。もちろんドレッシングも手作りなので安心。

デザート感覚の「アイスクリームシェイク」

セットなら+150円でつけられる、自家製の「アイスクリームシェイク」もおすすめ。シェイクとハンバーガーを合わせると、なんだかよりアメリカ気分になってきますよ。ほどよい甘さなので、デザートの代わりとしてもぴったり。

現地の人も認めた、本場の味を「JB’s TOKYO」で

「JB’s TOKYO」のハンバーガーは、“アメリカの味” をとことん追求し、至極真っ当に作られた料理でした。いわゆるグルメバーガーは、1,000円を超えることも珍しくありませんが、同店のスタンダードなハンバーガーは390円とお手頃なのも魅力的です。

ここまで素材にこだわりつつも、お手頃な価格で抑えられるのは「とくに無理をしているわけでもなく、材料を自分たちで作ることでこの価格で提供できています」のだそう。

海外出身のお客さんにもかなり好評を得ているらしく、「まさに本場の味。日本で食べたハンバーガーで一番おいしい!」とお墨付きなのだとか。食パンで挟んだハンバーガーは故郷を想い出させてくれるのかもしれませんね。

店舗情報

店舗名:JB’s TOKYO
電話番号:03-6300-0913
最寄駅:代々木駅
郵便番号:151-0053
住所:東京都渋谷区代々木1-33-3
市区町村:渋谷区
町域:代々木1-33-3
営業時間:11:00~22:00(L.O21:30)

撮影・文/岩田知夏