立憲民主党・蓮舫代表代行(2016年撮影)

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立憲民主党代表代行の蓮舫参院議員が2021年1月18日に菅義偉首相が読み上げる予定だった施政方針演説原稿を「フライング」でツイッターに投稿した問題が波紋を広げている。

同日中に与党から批判を受けた立憲民主党は謝罪、蓮舫議員の投稿も削除された。一方で、投稿に対する蓮舫議員からの公式な説明や謝罪はなく、党は一夜明けた19日も記者の質問に追われる形となった。

「もうなかったことに...」

「菅総理の施政方針演説、原稿です。今日午後、衆参両院で菅総理が原稿を読み上げられますが、どれだけの思いを込めた話し方をされるのか。一貫して求めてきたものが『国民の皆さんの「安心」と「希望」』という言葉から始まる原稿ですが、果たして届いているでしょうか。届くでしょうか」

蓮舫議員は18日午前、自身のツイッターで上記の文章とともに、菅首相が午後の衆参両院の本会議施政方針演説で読み上げる予定だった原稿の写真を投稿した。投稿に対しては「ルール違反なのではないか」といった指摘が相次いだが、蓮舫議員は午後に「(原稿は)内閣総務官室が各会派に配布し、議員の手元に。内閣総務官室に確認、取り扱いに関するしばりは特段なく、便宜上配布するとのこと」とツイート。原稿を公開することに、問題はないとの認識を示していた。

しかし、与党は18日の参院議院運営委員会理事会(以下、議運)で蓮舫議員の行動を批判。結果として吉川沙織野党筆頭理事(立憲民主党)は「誠に申し訳ない」と謝罪し、蓮舫議員は該当投稿を削除した。一方で、蓮舫議員は該当投稿の削除後もツイッターの更新を続けているが、削除した投稿についての言及や謝罪は20日正午現在でしていない。「スルー」を続ける蓮舫議員に対し、ツイッター上では「党が謝罪してるのに...」「もうなかったことになっているのか」と厳しい声が相次いだ。

立憲・福山幹事長は「それ以上でも以下でも...」繰り返す

19日午前に定例会見を開いた加藤勝信内閣官房長官は、一連の蓮舫議員の行動について記者から政府の見解を聞かれると「政府としては、正式には午後の本会議で初めて首相が発言し、それがまさに施政方針演説になる」と発言。蓮舫議員からの謝罪があったかを問われると「国会の中のやり取りなので、承知しておりません」と答えるにとどまった。

一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長は19日16時から定例会見を実施。蓮舫氏に関する質問をぶつけた記者の一人はその中で、18日に記者団が蓮舫議員にコメントを求めたものの、蓮舫議員はそれに「応じなかった」ことを明かした。

福山幹事長は同記者から、今回の問題を受けた幹事長としての受け止めを聞かれると「議運で吉川筆頭理事が申しあげた通りだと思います。それ以上でも以下でもありません。議運の中で、自民党も含めて議論をされていますので、それ以上でも以下でもないと思っています」と回答。党内で幹事長から指示があったかを聞かれると「何もありません」とした上で「蓮舫さん、吉川さんとも話したうえで、議運での吉川筆頭理事の対応と、それに対しての与党側の対応も報告を受けておりますので、それ以上でも以下でもない」と同じ言葉を繰り返し、説明した。