巨人から戦力外となった吉川大幾(左)と西武から戦力外となった森越祐人【写真:荒川祐史】

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巨人・吉川大は14年オフに中日戦力外も18年に自己最多97試合出場した

 プロ野球界では各球団が来季の契約を結ばない選手にその旨を通告する、戦力外通告期間が27日に終了した。すでに現役引退を決断した選手たちもいるが、1度は戦力外通告を受けたものの、12球団合同トライアウトを受けるなどして再びグラウンドに戻った選手たちもいる。

 ドラフト上位指名を受けながらも目立った活躍を残せなかったもの、戦力外通告を複数回受けたもの、一度はNPBを離れたもののカムバックしたものなどキャリアは様々。今回は1度以上戦力外通告を受けながらも諦めなかった主な選手たちを見ていきたい。カッコ内は前所属球団。

巨人・吉川大幾内野手(中日)

 10年ドラフト2位で中日入り。同じPL学園の先輩に当たる立浪和義の背番号3と高い期待を受けての入団となった。12年に1軍デビューしたものの、13年15試合出場、14年16試合出場と目立った活躍を見せられず、14年10月末に戦力外通告を受けた。

 11月中旬に巨人入り。移籍1年目の15年から故障で欠場した坂本勇人の代役・遊撃手として、また守備固めや代走として出場機会をつかみ、18年には自己最多97試合出場した。19年には若林晃弘、増田大輝らが台頭して出場減。今季は30試合出場、打率.100(10打数1安打)、打点なし、2盗塁だった。11月26日に2度目の戦力外通告を受けた。

DeNA・古村徹投手(DeNA)

 11年ドラフト8位で茅ヶ崎西浜高からDeNA入り。プロ1年目の12年は高校時代からの左肩痛の影響で2軍公式戦でも登板機会はなく、13年からは育成選手としてプレー。14年10月に戦力外通告を受けた。一度は現役引退を決断して15年は打撃投手としてチームに残留。16、17年と四国IL・愛媛で、18年はルートインBCリーグ・富山でプレーした。

 18年9月にDeNAの入団テストを受験。5年ぶりのNPB復帰、支配下選手として7シーズンぶりに復帰した。復帰1年目の19年はキャンプ1軍スタート。3月のイースタン開幕戦で登板したものの、5月に左肘のクリーニング手術。8月下旬に復帰したものの、その後も故障に悩まされた。今季もイースタン4試合登板にとどまり、11月3日に2度目の戦力外通告を受けた。1軍登板機会は1度もなかった。

楽天戦力外の由規はトライアウトに参加する予定「燃え尽きるまで挑戦する」

ヤクルト・田代将太郎外野手(西武)

 11年ドラフト5位で八戸大から西武入りして12年に1軍デビュー。16年に初の開幕1軍入りを果たし、主に代走として13試合出場した。17年に初の開幕スタメンをつかんだものの、打率.071、1本塁打、5打点と打力が課題となった。自己最多38試合出場したものの、同年オフに戦力外通告を受けた。

 12球団合同トライアウトを経てヤクルト入り。18、19年は開幕1軍入りして守備固めや代走として出場機会を得た。18年は自己最多73試合、19年は51試合出場したが、2軍スタートだった今季は46試合出場、打率.149、0本塁打、2打点、1盗塁にとどまった。11月11日に2度目の戦力外通告を受けた。

楽天・由規投手(ヤクルト)

 07年高校生ドラフトでは中田翔(日本ハム)、唐川侑己(ロッテ)とともに「高校ビッグ3」と注目され、5球団競合の末にヤクルト入り。背番号「11」をつけた。プロ1年目の08年に1軍デビュー。10年に自身初の2桁勝利となる12勝(9敗)、防御率3.60をマークした。また、8月26日の横浜戦(神宮)では161キロをマークした。09、11年とオールスターゲームに出場した。しかし、12年から15年まで右肩などで1軍登板機会なし。15年オフに育成選手となった。16年7月5月に支配下選手に復帰して同24日の中日戦で1786日ぶりの勝利を挙げた。17年に10登板3勝5敗、18年に7登板1勝2敗を記録したが、右肩の悩まされた。18年10月に戦力外通告を受けた。

 12球団合同トライアウトは参加しなかったが、18年11月中旬に育成選手として楽天入り。19年7月下旬に支配下登録され、西武とのレギュラーシーズン最終戦で481日ぶりに1軍復帰登板して1回無安打無失点に抑えた。今季は1軍登板はなく、11月5日に2度目の戦力外通告。10日に自身のツイッターで「燃え尽きるまで挑戦する! その気持ちを強く持ち現役続行へ向けて練習していきたいと思います」と12球団合同トライアウトに参加する意向を示した。

西武・森越祐人内野手(中日、阪神)

 2010年ドラフト4位で名城大から中日入り。13年に21試合出場したが、14年オフに戦力外通告を受けた。12球団トライアウトに参加して阪神入り。17年に自己最多29試合出場したものの、19年オフに2度目の戦力外通告。再び12球団トライアウトを受けて昨年12月に西武に入団した。

 今春キャンプはA班スタートしたものの、開幕2軍スタート。イースタン40試合で内野全ポジションを守って守備率10割を記録したが、1軍昇格はならなかった。13日に2年連続3度目の戦力外通告を受けた。今後については未定だが、「今後については今は考えていません。次も『挑戦する』ということには変わりありませんが、ライオンズでの生活は終わってしまいますので、ファンの方には『今までありがとうございました』と伝えたいです」と感謝した。

 12球団合同トライアウトは12月7日に行われる。再びNPBのグラウンドに立つことができるのか。諦めない男たちに注目だ。(Full-Count編集部)