今年のフェスティバル・アンバサダーを務めている役所広司

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 第33回東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーを務める役所広司が31日、東京国際フォーラムにて行われたオープニングセレモニーに出席。各国でリアルな映画祭が中止や延期となるなか、開催できたことへの感謝を述べつつ「日本映画界の素晴らしい先輩たちに恥じないような素晴らしい映画祭に成熟していくことを心から祈っています」と未来に思いを馳せていた。

 役所は「今回の映画祭はいままでと違うかたちになり、実行委員の方々の準備は大変だったと思います」と関係者への苦労を慮ると「リアルなスクリーンで映画を観られることは、映画ファンにとって最高のプレゼントになると思います」と笑顔を見せた。

 まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大は収束を見せていない。役所は「気の抜けない開催期間だと思いますが頑張っていきたい」とアンバサダーとしての意気込みを語る。「今回の映画祭の経験というのは、今後の映画祭の在り方を含め、活かされるのではないかなと思っています」と前向きに捉えているという。

 今年は例年と異なり、観客の投票による「観客賞」のみが設けられている。役所は「観客が映画を評価するというのが、一番正しいかたちだと思う」と考えを述べると、過去の素晴らしい映画人によって日本映画が世界の映画ファンを魅了してきたことに触れ「東京国際映画祭も先輩たちに恥じないような素晴らしい映画祭に成熟していくことを心から願っています」と語った。

 この日はクリストファー・ノーラン監督、ロバート・デ・ニーロら海外の映画人からビデオメッセージが寄せられた。ノーラン監督は「このような厳しい時期に大きなスクリーンで映画を観ることを称え、そして楽しむ道を見出してくれたことは、わたしにとって、そして世界中の映画製作者にとってインスピレーションの源になります」とコメント。デ・ニーロからも日本語で「おめでとうございます」と笑顔のメッセージが届いた。

 そのほか、「Japan Now」部門から深田晃司監督、森崎ウィン、筒井真理子が、オープニング作品『アンダードッグ』から、北村匠海、瀧内公美、脚本家の足立紳、武正晴監督、佐藤現プロデューサー、森山未來(オンライン)が登壇。さらに作品ゲストとして、土屋太鳳、平祐奈、優希美青、佐久間由衣らが華やかな衣装で映画祭オープニングを彩った。(磯部正和)

第33回東京国際映画祭は11月9日まで六本木ヒルズほかにて開催