嵐

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 とあるフリマアプリでは風船1つが30,000円、5つセットで45,000円という破格の商品がいずれもソールドアウト。どんな高級素材を使っているのかと思いきや、何の変哲もないゴム風船だ。“フェス ARAFES 2020 at NATIONAL STADIUM”というロゴとタイトル以外は――。

【写真】風船が45,000円!? 『アラフェス』グッズのおそるべし人気

極秘裏に進められた『アラフェス』

 本来であれば5月15日、16日の公演を予定していたが、コロナ禍によって延期となっていたの新国立競技場コンサート『アラフェス』。

「ジャニーズは新型コロナウイルスの影響によって延期していたコンサートを、8月下旬に再開させることを予定していましたが、再延期を8月12日に発表。そして最終的に今年のアラフェスは、デビュー記念日となる11月3日にオンラインでの配信ライブとなりました」(スポーツ紙記者)

 その配信ライブの収録で“事件”は起こった。

「10月24日に、国立競技場でアラフェスの事前収録が行われました。フェスの演出として打ち上げられた花火の煙や飛ばされた風船が、隣接する神宮球場まで到達。当日はプロ野球のヤクルト対中日戦が行われており、6回表に花火の煙により試合が中断。続く7回表にもかなりの数の風船が飛んできたため、中断してしまうという事態になったのです」(同・スポーツ紙記者)

 同日夜、ジャニーズ事務所は謝罪コメントを発表。

《本日、国立競技場にて行っておりました、フェス2020の収録にあたり、風船及び花火による演出の煙により、隣接する神宮球場にて試合中の『ヤクルト対中日』戦を2度ほど意図せず中断させてしまう事となりました。神宮球場、両球団選手及び関係者、視聴者の皆さまには、ご迷惑をお掛け致しました事を、深くお詫び申し上げます》

 冒頭の販売されている風船は、この演出によって国立競技場から飛んで行った風船だ。東京都新宿区にある国立競技場から、遠いところでは埼玉県八潮市や成田空港まで飛んでいったという。

 謝罪にまで至った今回の“事件”だが、野球ファンは(犬猫や鳥などの動物、またファンの乱入などで中断に慣れているためか)それほど気に留めておらず、ネット上の意見も《花火も見れてラッキーだった》《球場全体は拍手だった》《謝罪はいらないからスワローズファンの松潤を始球式に派遣しろ》などと、概ね好意的に見える。

 では、いちばん影響を受けたであろう国立競技場・神宮球場の周囲はどうだったのか。今回の事前収録は、基本的には秘密裏に進められていたというが……。

「11月3日に配信されるということは知っていたので、だいたいの検討はついていました。詳しくは言えませんが、事前に花火が上がる時間の連絡は一応ありましたよ。音漏れはいっさいしていませんでした。

 何日か前からファンはウロウロしていましたけどね。それは音漏れを聞きに来ているというわけではなくて、“が来る記念に聖地巡礼する”といった感じです。誰に迷惑をかけるでもない、ちゃんとしたファンの在り方だと思いましたよ。

 収録の翌日以降は、風船を探し回っている人をたくさん見ましたね。“風船、落ちてませんでしたか?”って、なぜか若い男性にも聞かれましたから」(国立競技場付近の飲食店の店主)

 別の飲食店スタッフにも話を聞くと、「正式な事前連絡はなく、ライブの開催も花火が上がることも知らない極秘収録でした」と言うが、事前に“動き”は確認していた。

「24日の1週間前くらいから国立競技場の塀の中に機材がたくさん積まれていました。機材に『』と書いてあったわけではありませんが、“そろそろライブをやるんだな”とバレバレでしたね。

 当日は早い時間から場内の電気が点いていて、普段は警備員がいない場所にその日だけは4人くらい配置されていました。また、いつもなら多少は競技場の中が見えるのですが、その日は見えなかったので黒い幕のようなもので覆われていたんだと思います。とにかくいつもと様子が違うので“今日がライブなんだな”と思いました。

 夜には花火の音はしましたが、音漏れはいっさいありませんでした。事前連絡がないぶん、周辺への迷惑がかからないように、音量面で配慮されていたんでしょう。ファンも集まっていませんでした」

 当日のド派手な演出を、実際に神宮球場で目撃した人にも話を聞いた。

「とにかく花火の煙がすごかったです。上空が真っ白でした。僕は国立競技場側にあるレフト席に座っていましたが、その辺りの席にいた人は、真後ろから花火が上がっていたことに気がつかず、球場の向かいにあるビルに反射する光を動画に収めていましたね(笑)。花火はまだしも、風船のときは“何これ?”ってみんなどよめいてました。得体の知れないものが空を舞っていたので……」

 実際に球場で働いていた人はというと……。

「『アラフェス』の収録や、花火が上がることについては、まったく聞いていませんでした。なので、花火が上がったときは本当にビックリして。花火の直後に“まだ何かあるんですか?”と、上司に確認したところ、“風船が飛んでくる予定だ”と言われたので、風船については直前に知ったという感じです。

 上層部はライブ収録のことを知った上で秘密にしていたんだと思いますが、結局、風船に書いてあった『アラフェス』のロゴによって、バレてしまいましたね。ちなみに、球場内に落ちた風船は捨てられてしまったかと……」(神宮球場のスタッフ)

 最低限の事前報告はしていたようだが、このような事態となってしまった。しかし、そんな事務所に対して、ファンはわりと好意的だ。

「花火が上がったのが午後9時ごろ、風船が飛んだのは午後9時30分ごろだそうです。土曜日の午後9時といえば、ファンは日テレ系の『にしやがれ』を視聴している時間。“ファンが集まらないように配慮して、あえてその時間を狙ったのでは”と推測されていますね」(ファンの女性)

 にとって、コンサートの配信は今回が初めて。そして年内での活動休止を控える彼らにとっては、もしかしたら最初で最後となる可能性もある。

 初めての“画面越し”となるコンサート。風船や煙などではない、熱い感動を5人はきっと届けてくれるだろう。