ダイナミック食品(株)(TDB企業コード: 520075094、資本金1000万円、和歌山県和歌山市永穂254、代表中秀彦氏)は、8月10日に事業を停止し、事後処理を森薫満弁護士(和歌山県和歌山市岡山丁37三年坂ビル2階、森法律事務所、電話073−426−5050)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1965年(昭和40年)創業、73年(昭和48年)5月に法人改組した焼肉タレやポン酢などの調味料メーカー。「ダイナミックタレ」「紀州ぽん酢」「和歌山ホルモンのタレ」などのブランド名で焼肉タレやポン酢、すき焼きタレなど調味料の製造を行っていた。焼肉タレを主力に20種類程度、業務用では30種類程度の調味料を取り扱い、和歌山県内では相応の知名度を誇って固定客を獲得。食品商社や地元スーパー、精肉店、飲食店などへ販売し、97年9月期には年売上高約1億1200万円を計上していた。

 しかし、その後は得意先の廃業や大手同業他社との競争激化などから売り上げは減少傾向で推移。小規模経営で営業力に乏しかったこともあり、2019年9月期の年売上高は約3000万円にまで落ち込んでいた。その間、収益性も低下し、赤字計上も散発したことから資金繰りが悪化。近時は積極的に展示会へ参加して新規顧客の開拓を行ったほか、人件費など経費削減で業績の改善に努めたものの奏功せず、さらに今年3月以降は新型コロナウイルスの影響で全体の売り上げの4割を占めていた飲食店向けの業務用販売が大きく落ち込み、ここへ来て事業継続を断念した。

 負債は約1500万円。

 和歌山県では初の新型コロナウイルス関連倒産となり、47都道府県中45番目(新型コロナウイルス関連倒産が発生していないのは島根県と高知県のみ)。