営業を再開したTOHOシネマズ日比谷のスクリーン入り口、検温器も設けられている

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 全国にシネマコンプレックスおよび映画館を展開するTOHOシネマズが6月5日、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県における23劇場の営業を再開。新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言に伴い、一時期は全劇場の営業を休止していたが、ひとあし先に営業を再開した44劇場に続き、全国67の劇場で営業を再開した。

 今日から営業を再開したのは、TOHOシネマズ日比谷をはじめ、シャンテ、新宿、日本橋、上野、六本木ヒルズ、渋谷などの首都圏23劇場。4月8日の休業以来、およそ2か月ぶりの再開となったTOHOシネマズ日比谷の福井嘉輝支配人は「TOHOシネマズ日比谷は2年前にオープンした劇場ですが、今日は第2のオープンだという気がしております。この日を待ちわびておりました」と語る。

 全国の劇場と同じく、営業再開にあたって、新型コロナウイルス感染防止策を徹底。日比谷では入り口に検温器を設置(体温が37.5以上の場合は入場を断る)し、売店なども間隔を空けて営業、ロビーにあったソファも撤去されていた。

 防音・遮光を追求することもあり、映画館は「換気の悪い密閉空間」というイメージを持たれがちだというが、全国興行生活衛生同業組合(通称:全興連)によると、映画館は各種法令等で一定の空調設備の整備が義務づけられていることから、強制的な機械換気が可能。東京都でも「床面積1立方メートルあたり、毎時75立方メートル以上の清浄な外気を常時、給気または排気できる機能がある換気設備」の設置が義務づけられている。

 高い天井、広い空間に数百席規模の劇場を数多く有するTOHOシネマズでも、強力な換気設備を設置している。また、全興連が先日発表した「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に沿って、館内の感染防止策の強化や運用の一部も変更した。

 そのほかにも、女優の山崎紘菜が出演する幕あい映像で感染防止策を紹介。「マスク、フェースガードなどを着用するなど、全従業員が感染対策を講じる」「劇場の消毒の徹底」「混雑緩和のため、会計のスムーズなキャッシュレス決済を推奨」「対面接客の場には透明のシートを設置」「劇場内の空気が外気と入れ替わる空調システムを使用し、法律に基づいた定期的な換気を実施」「入場時のチケットは受け取らず、目視のみで確認」「入場時に検温を実施」「チケットは前後左右、1席ずつ開けて販売。発券機もひとつずつ空けての稼働」などの対策を行っている。

 さらに、観客の入れ替えや館内清掃にあてる休憩時間も、劇場のキャパシティーに応じて5分から20分ほど長めにとり、ゆとりをもった形になる。また、別作品の入場が重ならないよう、作品ごとに時間をずらした入場をアナウンスできるような上映スケジュールを組む。福井支配人は「映画館は、お客さまが安心して、安全にご利用いただけるように。ご快適にご利用いただけるように、いろいろ工夫・対策を講じております。映画館での体験というのは何事にも変えがたい、すごく貴重な財産になると思います。ぜひ映画館に足を運んでくださいますよう、よろしくお願い申し上げます」とメッセージを寄せている。(取材・文:壬生智裕)