伸和工業の本社工場

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 伸和工業(株)(TDB企業コード:580575119、資本金2000万円、大阪府大阪市生野区中川2−17−13、代表豊田基和氏)は、5月29日に事業を停止し、同日大阪地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は井上彰弁護士(大阪府大阪市中央区伏見町3−2−4淀屋橋戸田ビル2階、弁護士法人栄光・栄光綜合法律事務所、電話06-4707-1251)ほか2名。  当社は、1973年(昭和48年)4月創業、85年(昭和60年)5月に法人改組。創業当初はねじ製造を手掛けていたが、95年ごろに半導体製造機械部品の製造をスタート、97年には自動車部品の加工を開始した。主力となる自動車部品はクラッチやバルブレバー用部品を中心に扱っていたほか、空調機部品や発電機部品なども扱っていた。大手自動車メーカー向けの部品で業容を拡大し、得意先からの材料無償支給による加工賃収入を得ていた。本社近隣に工場を順次開設、2012年4月期には年売上高約3億1200万円を計上していた。

 しかし、得意先からの受注が落ち込み、2016年4月期の年売上高は約2億2700万円にまでダウン。原材料価格の高騰や人件費負担などの増加により収益面も低調に推移していた。また、過年度の積極的な設備投資によって膨らんだ借入金負担も重く資金繰りは悪化。このため、金融機関から返済猶予の支援を受けて立て直しを図っていた。近年は自動車関連部品の受注が好調に推移したことで、2019年4月期の年売上高は約3億円にまで回復していたものの、2019年末頃に前代表が死去したことに加え、新型コロナウイルスの影響のより自動車メーカーが減産となったことで、売り上げが急減し、先行きの見通しが立たなくなり、今回の措置となった。

 負債は申請時点で約5億円。