CBS MarketWatchによると、16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の4月物は、前日比1.41ドル高の1バレル＝63.58ドルに大幅反発し、約2週間ぶりの高値で引けた。

　　イラク駐留米軍が16日、2003年のイラク戦争開戦以降、最大規模の空爆作戦を実施したことに加え、イラン核開発問題の先行きが不透明になる中、ブッシュ政権が同日、米安全保障政策の基本方針となる「国家安全保障戦略」(ブッシュ・ドクトリン)の改訂版を公表し、イランを「最大の脅威」と位置付けたことから、今後の中東からの原油供給に対する不安が広がり、買いが優勢になった。

　　ただ、米国内の原油在庫は約7年ぶりの高水準に達しているため、アナリストの間では、同日の相場について、テクニカル要因による上昇に過ぎない、と指摘する声も出ている。

　　ガソリン先物は、前日比4.53セント高の1ガロン＝1.8744ドルに反発、暖房油も、同3.08セント高の1ガロン＝1.8125ドルに反発した。また、天然ガスも、同12.4セント高の100万Btu＝7.267ドルに反発して引けた。【了】