報道陣に余裕を見せるなど減量がうまくいったと振り返った比嘉大吾【写真:浜田洋平】

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比嘉大吾が体重超過から1年10か月、119ポンド契約8回戦で計量クリア

 ボクシングの元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)が12日、都内で1年10か月ぶりとなる再起戦の前日計量に臨み、リミットを0.1キロ下回る53.8キロで一発クリアした。相手のジェイソン・ブエナオブラ(フィリピン)も53.8キロ。ノンタイトル戦はスーパーバンタム級(55.3キロ)に相当する119ポンド(53・98キロ)契約8回戦として行われる。

 比嘉が減量をクリアした。計量会場に現れた際の表情は、過去の計量時とは違い余裕があった。大勢の報道陣が集まり「体重超過、期待してます?」と笑顔で冗談を飛ばす場面も。計量に失敗した時は、サウナに入っても汗が一滴も出ないほど疲弊しきっていたが自信を持って計量台に上がり、0.1キロアンダーのコールを受けてポーズを取った。

 心境を問われ「何とも思っていないですね。“無”です。試合前になるとたぶん何か(気持ちが)出てくる。今のところは全くです。ただ、計量の時が来ただけ」と落ち着いて返答。フライ級時代のリミットより、ちょうど3キロ多い体重となった。「減量はうまくいった感じがします。減量はどこ(の階級)に行っても最後はきついけど。2年ぶりの減量なのできつかった」と振り返った。朝の時点でリミットだったという。

 2018年4月にWBC世界フライ王座3度目の防衛戦の前日計量で、リミット50.8キロを0.9キロ上回る体重超過を犯して王座剥奪。試合は行われ、同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)に9回TKO負けした。デビューから続いていた日本記録タイの15戦連続KO勝利もストップ。体重超過は国内の世界戦では日本人初の失態となり、日本ボクシングコミッション(JBC)からボクサーライセンスの無期限停止などの処分を受けた。

 昨年10月にJBCの処分が解除され、現在はWBC世界バンタム級7位にランク入りしている。7勝3KO4敗3分けのブエナオブラは身長168センチのサウスポー。比嘉陣営は年内の世界再挑戦を目指す意向を示している。

 再起戦に向けて、トレーナーを変更。減量を管理する担当者もおり、比嘉は減量方法について「トレーナーさんに従ってやってきた。体調は崩していない」と手応え。「来ている人が楽しい試合ができれば。結果的に倒せればって感じですね。2年間、応援してくれた両親、後援会、個々人、スポンサーのために頑張りたい」と勝利を誓った。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)